かつて重宝された新車購入時の「現金払い」! いまキャッシュレスが進み「現金」が敬遠されるワケ (2/2ページ)

頭金などがポイント還元されるポイ活も当たり前

 また、頭金の支払いについては、メーカー系クレジットカードで決済するとポイント還元などの特典もあるので、たいていのディーラーではメーカー系クレジットカードでの決済を勧めてくる(持っていない場合は新規加入を勧めてくることもある)。筆者の場合はTSキュービックカードで頭金を決済しているのだが、メーカー系オートローンを利用している期間に受けられる「使ってバック」というサービスにより、月々のカード全体の利用額に応じて、月々のカード利用額に自動的にポイント還元するようになっているので、頭金をカード決済した分も当然ポイント還元の対象となる。ポイント還元については、1ポイント=最大1.5円となっている。

 仮に頭金の現金払いや現金一括払いのケースでも、いまどきはディーラー指定口座への振り込みが一般的となっており、点検・整備代金や物販代金などのクレジット払いも含めてキャッシュレス決済が進んでいるともいえるのである。

 過去には、商談テーブルに札束を積んで「これで買えるなら契約するよ」というのが商談ではキラートークともされ、値引きアップに効果を発揮していたが、いまでは資金洗浄も懸念して、とくにフリーで初めて新車を買うお客では、極力口座振り込みにしてもらって記録を残すようにしていると聞いている。

 また、事情通によると「大昔には現金一括払いが当たり前でしたので、とくに大安の土曜や日曜には納車も重なりかなりの現金が店舗に集まることになります。それらの現金は当日中に近隣の金融機関の夜間金庫に預けていたとも聞いています。いまよりは治安が良かったころの話ですが、それでも集まった現金が多額になったときには複数人で夜間金庫まで出かけたとも聞いています。治安の悪くなったいまでは、かなりの確率で犯罪者の標的になるでしょうから、そういうリスクを避けたいという判断もあるようです」と話してくれた。

 高額な輸入車を多数扱うディーラーにて、「長い間おつきあいのあるお客様以外は、マネーロンダリングなど犯罪が絡む危険も高いので、現金払いでも口座振り込みが大原則です」ときっぱり話してくれたことがある。

 そのとき、「古くからのお馴染みのお客様から3000万円の新車をご購入いただいたのですが、「どうしても現金で払いたい」というので、紙幣カウンター(銀行にあるようなお札を自動的に数える機械)を用意していていざ数えようとしたら、その機械が壊れていて店舗スタッフ総がかりで手勘定で3000万円を確認したことがありました(帯封がついていてもあえて信頼のためにお客の前で確認する)」と思い出も語ってもらったこともあった。

 いまどきは、振込詐欺など犯罪防止の観点もあり、一度に多額の預金を下ろすときには下手すれば警察官を呼ばれるような騒ぎになる時代。オンライン販売は新車販売においてはまだまだ主流にはならないものの、新車ディーラーでもキャッシュレス化はそれなりに進んでおり、オンライン販売の地ならしができているともいえるかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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