コンパクトハッチバックをリードし続けて約50年! 8代目フォルクスワーゲン・ゴルフという世界のベンチマーク (2/2ページ)

Cセグのベストセラーとして進化を続けるゴルフ

最新のモデルとなるゴルフ8

・8代目ゴルフの特徴

 2021年に国内での販売がスタートした8代目となる新型ゴルフ。Cセグメントに属するコンパクトカーという位置づけは変わらず、日常で使いやすいボディサイズを維持しています。

 現行モデルのボディサイズは全長4295mm、全幅1790mm、全高1475mm。全幅こそ日本ではやや使いづらさを感じますが、それでも扱いやすいサイズに留められたのはユーザーからすると嬉しいポイントといえるでしょう。

 エクステリアデザインもひと目で“ゴルフ”とわかるそれ。伝統的なフォルムは踏襲されつつ、先代から少しだけ先をいく新しさを両立しているのはさすがです。

 プラットフォームは先代同様、フォルクスワーゲンが展開するモジュラープラットフォーム「MQB」を引き続き採用。とはいえホイールベースが先代とは異なるなど、各種パーツは改良を施し、先代から大幅にアップデートされています。

 足まわりも先代と同様にフロントはマクファーソン式、リヤはグレードによりトレーリングアーム式と4リンク式を装備。当然、サスペンションにも改良が施されました。

・ハイブリッドシステム「eTSI」

 8代目のパワートレインに加わったのがeTSIエンジン。このエンジンを簡単に説明すると、ベルト駆動式スタータージェネレーターやリチウムイオンバッテリー、そして最新世代のTSIエンジンで構成されるマイルドハイブリッドシステムです。

 最高出力100馬力の「1.0 eTSI」と150馬力の「1.5 eTSI」が用意され、トランスミッションはシフトバイワイヤ化されたフォルクスワーゲン自慢のDSGが採用されています。

・内装のデジタル化

 8代目の最大の特徴が全車にデジタルコックピットを装備したこと。10.25インチの液晶ディスプレイで構成されるデジタルメータークラスター「Digital Cockpit Pro」に加え、10インチタッチスクリーン式のセンターディスプレイインフォテインメントシステムが、それにあたります。

 運転席に座ると、各種インフォメーションやナビ画面を表示するワイドディスプレイの存在感はまさに圧巻! また、インフォテインメントシステムには指操作によるジェスチャーでオーディオや空調操作を可能としたタッチスライダーも備えられました。

・そのほか先代との違いや新たに打ち出されたコンセプトなど

 初代から続くゴルフの人気は、運転しやすい着座位置を備え、視界が良いことや大人がしっかりと座れる室内空間を備えていること、ラゲッジルームの使い勝手が良いことなどなどにあります。8代目も歴代モデルに備わるポイントは当然おさえています。

 先代との細かい違いはというと、空気抵抗係数が0.30から0.275まで低減したこと。また、ラゲッジスペースがホイールハウス後方のサイド部を抉ったことで、積載物をより積みやすく改良されたことなどが挙げられます。そのラゲッジルームは380Lとクラス最大級の容量を確保しました。

 また、先程話したボディサイズですが、これまではモデルチェンジの度に大きくなっていたのですが、、8代目では先代から全幅とホイールベースをサイズダウンしています。全長が4255mmから4284mmと拡大しましたが、全幅は10mm、ホイールベースは18mm短縮されています。

ゴルフR はモデルチェンジあり

 2022年10月、歴代モデル最強とも評される新型ゴルフRが国内での販売を開始しました。

 ゴルフRとは、シリーズ中もっとも走行性能に長けたハイスペックモデル。4代目ゴルフに初めて設定され、標準モデルに対してエアロパーツを身につけるだけでなく、エンジンや足まわりに高度なチューニングを施しています。

 そもそもゴルフ Rの「R」はRacing(レーシング)に由来するもの。動力性能はモータースポーツなどで培った技術をふんだんに取り入れることで、GTIよりもさらに走行性能を高めました。

・ゴルフ史上もっともパワフルなエンジン

 新型ゴルフRに搭載されるパワーユニットは、最高出力320馬力を発揮する2リッター直4TSIエンジン。ゴルフR専用にチューニングが施されています。

 結果、先代モデルと比べてパワーやトルクが高められているのはもちろん、排出ガスの低減や燃費性能まで向上しているのが特徴です。

・そのほか先代との違いなど

 新型ゴルフRは専用のバンパーやサイドシル、リヤディフューザーを配し、4本出しエクゾーストパイプを採用しています。

 パワーアップしたパワーに見合う18インチブレーキシステムやブレーキ圧力の最適化など、ブレーキ面の性能もチューニング。後輪のトルク配分を適切にコントロールする4WDシステム「4MOTION」を備え、コーナリング性能も先代や標準モデルから大きく高められています。

 インテリアも、カーボン調パネルやシートなどはゴルフR専用。スポーティな雰囲気はもちろん、上質さも兼ね備えたインテリアに仕立てられました。

まとめ

 評論家やメディア関係者が口を揃えて「やっぱりいいね」と口をそろえるのがゴルフ。ただ、玄人受けしかしないのではなく、クルマにそこまで興味がない人が運転しても、その良さはすぐにわかるできの良いクルマです。

 それは初代から一貫して実用性の高さや運転しやすさにこだわっているところが大きいのではないでしょうか。そんなこだわりは今後もずっとゴルフに備わるでしょうし、そのこだわりをユーザーが支持していくはずです。


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