クルマ好きの終着駅の一つポルシェ911! デビューに悩んだら「タルガ」がオススメだった (2/2ページ)

「911内ヒエラルキー」から逸脱したポジションを確保

 そこで、「んじゃあ、いったいどの911に乗れば満足できるの?」とお嘆きの911ファンにオススメなのが、「タルガ」なのです。911タルガは初代911デビューの2年後、1965年のフランクフルとモーターショーでお披露目されました。カブリオレでもハードトップでもクーペでもない斬新なモデルは、アメリカマーケットにおける「カブリオレは転倒時に危険だ〜!」という声に、ポルシェがすぐさま対応した成果なのでした。

 じつはこの“カブリオレでもハードトップでもクーペでもない”ことこそ、タルガの魅力なのです。逆にいうのなら、カブリオレとハードトップとクーペの良いところをすべて持ち合わせているってことです。そういう特異なキャラクターゆえに、タルガは先述の「911内ヒエラルキー」から逸脱したポジションを確保。また、先述の「最新のポルシェは最良のポルシェ」という定説さえも関知しなかったため、いつの時代も911ファンから(いや、すべてのクルマファンから)熱い支持を得てきたのです。

 911には最初の901型ボディから、Aピラーとロールバー兼用のBピラーの間の屋根がボコッと取れる「タルガトップ」をラインアップしてきました。ところが、1993〜1997年の993型では屋根が斜めにスライドするタイプに変わってしまい、993→996→997までこの仕様が続きます。この「斜めスライド式タルガ」は911ファンの間で賛否両論あり(おそらく「否」が過半数)、2011年デビューの991型で元の脱着式タルガトップに近い、“頭の上だけ屋根が無い”スタイルに戻ります。

 ですから、乗るとしたら993より前のモデルの911タルガ、もしくは991型か現行モデルの911タルガがよろしいかと思います。いずれかのタルガに乗れば、爽快なオープンエアモータリングが楽しめるのは間違いありません。特にオススメなのは、昼間の街中でのドライブ! タルガはカブリオレのように“思いっきり大衆に身を晒す”ことがないので、恥ずかしがらずに空と風を楽しみながらドライブできるのです。

 でもねぇ……タルガはいつの時代も人気だったゆえに、セカンドマーケットでは古い911タルガも新しい911タルガも、価格が高騰しているんですよねぇ。たとえば1991年式の964タルガは1000万円前後で、グッドコンディションの場合は1500万円を超えるようです。930ボディのタルガも同様です。現行の992のタルガとなると、クルマそのものがないとか。

 そう、911タルガは魅力いっぱいのクルマなのですが、唯一ネックになるのがこの価格高騰なんです。残念。


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