一時停止いらずで渋滞も防げる! それでもすべて「信号付きの踏切」にならないワケ

この記事をまとめると

■クルマで踏切を渡る際は一時停止が基本

■しかし信号付きの場合はそれに従えばいい

■なぜすべての踏切に信号を設置しないのだろうか?

すべての踏切に信号をつけるのは現実的ではない!

 踏切は当たり前な存在だが、鉄道が通る線路を道路がまたいで、そこをクルマが横切れるのはよく考えると不思議なものというか、高機能なもの。それゆえにいろいろな問題や疑問が出てきたりする。開かずの踏切というのはいい例で、1時間に数分しか開かないという場所も都市部にはあったりして、なぜ鉄道のために我慢をしなければならないのか、よくわからなかったりする。跨線橋を架けて歩行者だけでも渡れるようにすればいいのに、それすらもないこともある。

 このように踏切は鉄道優先となる設備で、開かずの踏切とまではいかなくても、一旦停止の義務が法律で定められている。むやみに突っ込んで前が詰まっていると車体が線路部分にはみ出して危険だからというのはあるにしても、見渡しのいい平野のど真ん中にあるような踏切でも一旦停止をしなくてはならないのはなにか釈然としない。ちなみに海外では踏切はそのまま突っ切る国が多く、日本流に一旦停止すると後ろから追突されることもあり、危険だったりする。

 なかには信号付きの踏切もあって、道路側が青であれば一旦停止する必要はなく、逆に鉄道にも信号があって赤になっていれば止まる。この場合は、信号付きの交差点と同じということになる。

 クルマに乗る側としては、全部信号付きにしてほしいところで、お互いに平等な立場で通過できたらと思うことも多い。ただし、実際は無理だろう。鉄道のほうが規模が大きく、走行しているのも準急や急行、特急など駅を飛ばして一気に駆け抜けるだけに、それらをいちいち止めるのは無理。実際にやったとしたら、全列車が各駅停車以下のスピードになってしまって交通網は麻痺だ。もちろん列車を優先すれば遮断器が信号に変わっただけだし、無視する人が増えて危険も増す。

 実際に信号がある踏切を見てみると、ほとんど通らない貨物線で幹線道路を横切っていたり、引込線でスピードが遅い場所だったりするし、路面電車のような都市交通がほとんど。結局は高速で通過する列車をクルマと同等に信号で停止させたり、発車させたりするのは無理ということだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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