フェラーリの開発ドライバーになれる究極走行会! 上級顧客が2億円払って参加できる「XXプログラム」の想像を絶する世界 (2/2ページ)

続々と専用車を発表してXXプログラムを継続

 FXXによるXXプログラムは2009年をもって終了するが、フェラーリはその後継車として2009年に当時の599GTBフィオラノ(日本名599)をベースとした599XXを発表。さらに2010年からのプログラム継続を宣言する。

 フロントに搭載された5998cc仕様のV型12気筒エンジンは730馬力仕様。6速のF1マチックを組み合わせているのはFXXから変わらない。排気システムを含めたエアロダイナミクスの改善もまた、FXXと同様にこの599XXにおいても技術面での大きな見どころ。Cピラー上に備わるカナードなど、F1マシン由来のエアロデバイスの数々も見る者の目を魅了した。

 コルセ・クリエンティは、この599XXでも2011年にエボリューションキットを設定し、最終的にそれによるXXプログラムは2013年まで続けられた。参考までに599XXの生産台数は30台という数字だった。

 フェラーリのXXプログラムはさらに続く。599XXの後継車となったのは、ラ フェラーリがベースのFXX Kで、車名の末尾に添えられたKの文字は、このニューマシンがフェラーリの運動エネルギー回生システム、HY-KERSを搭載していることを意味していた。

 ミッドのV型12気筒エンジンは6262cc仕様で最高出力は860馬力。HY-KERSがこれを190馬力の最高出力でアシストし、システム全体では1050馬力というパワースペックを実現した、まさに驚異のマシンだった。

 実際にFXX KによるXXプログラムがスタートしたのは2015年からで、2017年にはさらにカナードの追加やリヤウイングのデザインを変更したエボリューションキットも誕生。翌2018年からXXプログラムの主役は、このエボリューション仕様となった。

 FXX Kの生産台数もトータルで32台と少なく、当然のことながらそのカスタマーとなるためにはフェラーリの厳しい審査があったのは間違いないところ。ピロータFXXとなるための道のりは果てしなく長く、そしてかくも厳しいものだったのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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