いま新車購入で当たり前化している「残価設定ローン」! じつは最近進化を遂げてより便利になっていた (2/2ページ)

残価設定ローンを使わない方がいいケースも

 じつは残価設定ローンについては、フルローンができないメーカー系ディーラーが目立っていたのだが、それもいまではフルローン大歓迎という雰囲気に販売現場は包まれているようにも感じた。

 ここまでくると完全にリース感覚で新車を短期間で乗り継ぐことになる。日本でもトヨタやホンダを中心に個人向けカーリース普及の動きも目立ってきたが、事情通は「アメリカではリースで新車に乗っていて、たとえばフリーウェイで不動車になるような事故を起こしてしばらく現場で待っていると、リース会社の手配した積載トラックが同じ車種の新車をその場に届け、その新車に乗って移動できるのが便利だという話をよく聞きます。日本ではさまざまな制度上の問題もあり、アメリカあたりのカーリースより利便性をあまり感じないですし、残価設定ローンがすでに販売現場で浸透してしまっていることもあって、カーリースに個人の方がうまみを感じないのではないでしょうか」とのことであった。

 軽自動車では、届け出済み未使用中古車が新車で購入するより買い得とはよく聞くが、多くの届け出済み未使用中古車販売店でのオートローン金利は中古車扱いになるのでかなり高い。業者自らが「ローンで乗るなら新車買ったほうがいいよ」と言う始末。「軽自動車をローンで乗るのか?」と不思議に思う人もいるかもしれないが、軽自動車のリセールバリューはかなり高く、そして長期的に良好な相場を形成している。リヤスライドドアを採用していると、たいてい5年後の残価率は新車価格の30%強となるのだが、実際5年後に下取り査定してみると設定残価を軽く上まわる査定額になるという。

 いまやクロスオーバーSUV、ミニバン、軽自動車あたりがリセールバリューの高い鉄板カテゴリー。この3つのカテゴリーでは残価設定ローンを組み、言い方は少々悪いが短期間で転がしながら新車を乗り継ぐことが十分可能で、すでに実践している人も多いのである。

 もちろん、過走行になる使い方や乗り方の荒い人には残価設定ローンは不向きといえる。また、趣味性の高い量産ブランドの輸入車では設定残価率自体が低いことも多く、残価設定ローンの利用はおすすめできないので、万能なおすすめツールでもない。さらにあくまで現金一括払いとか、金利負担が嫌だなどと考えている人にとっては、どこが買い得なんだと思ってしまうかもしれないが、新車販売現場では残価設定ローンがどんどん進化を遂げ、さらに個人向けカーリースも登場してきており、賢い新車の乗り方というものへの考え方も多様化が進んできていることだけは間違いないと言えるだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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