プロが恐怖を感じるレベルの危うさ! 歴史に残る「ピーキーすぎる」国産スポーツカー4選 (2/2ページ)

90年代はピーキーすぎるクルマが多かった

 MR-2といえば2代目のSW20型もピーキーなマシンとして知られていた。初代が1.6リッターエンジンだったのに対して、2代目では2リッターエンジンへとスープアップ。ハイパワーグレードは2リッターターボエンジンを積んでいた。225馬力のターボエンジンに対して、205/60R14サイズのリヤタイヤは明らかに容量不足。非常に運転が難しいクルマとの批判を受けていた。

 とはいえ、当時運転した記憶でいえば、基本的な難しさでいえばAZ-1/キャラに比べればかわいいレベルと感じたのも事実。それでも200馬力オーバーのパワートレインが導く速度域は圧倒的に高いもので、一歩間違えば……というスリリングな部分では国産モデルでは群を抜いていた。ピーキー度でいえば、もっともレベルの高いモデルがSW20型MR-2かもしれない。

 ここまでエンジン横置きミッドシップのスポーツカーを3台ピックアップしてみたが、同じリヤ駆動でもFRであればコントローラブルと考えてしまうのは早計だ。たしかにFRレイアウトはフロントにエンジンを積んでいる関係で、前輪の接地荷重が感じやすくミッドシップのような危うさは薄まるが、それでもピーキーとしか表現できないクルマはあった。

 その代表的存在が、AZ-1と並んで軽スポーツABCトリオに数えられるスズキ・カプチーノだ。前期モデルはパワステもなく、なおかつホイールベースは2060mmと超ショート。エンジンは660ターボのためアンコントロールになるほどのパワーはなかったが、峠の下りなどリヤ荷重が抜けやすいシチュエーションでアクセルオフにすると、意図せずにリヤが流れ出す感覚にあふれていた。

 ノンパワステのハンドルを必死に操作して素早く適切なカウンターを当ててあげないと、いつスピンしてもおかしくないと感じるほど。FRであってもピーキーなハンドリングはあり得るという具体例としていまも記憶に残る1台だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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