スバルの技術者ヤバッ! XVからクロストレックまで「段差レス」ラゲッジのアイディアが「目から鱗」だった (2/2ページ)

新型クロストレックで段差解消に新しい手法を導入

 で、新型クロストレック(先代まではXV)に接した際、そこをチェックすると、ガーン、先代にはあったフロアボード後端左右2か所のベルトループと開口部左右のフックが消滅!

 やはり開口部には120mm程度の段差がそのまま存在していたのだった(泣)。

 さっそく、文句を言うべく開発陣に詰め寄ると意外な答えが。「開口部に段差がないようにも使えますよ」(開発陣)。「いや、先代にあったベルトループと開口部左右のフックが見当たらない!」(ボク)と押し問答。

「ではこちらへ」と、開発陣とともにクロストレックの現車に向かい、バックドアを開けてみる。やっぱり段差があるままで、段差を解消するような仕掛けは見当たらない。

 すると開発陣がこう説明してくれたのだ。

「オプションではありますが、トノカバーを付けていただければ、それをフロアボードの下に格納することで、ぴったり開口部とフロアボードの段差がなくなるのです」

 実際、オプションとなるトノカバーをコンパクトに畳み、棒状にしてラゲッジルームのフロアボード下にすっきりと収めると、その高さ分、フロアボード後端が持ち上がり、先代と同じように、やや角度(後ろ上がり)は付くものの、フロアボードと開口部の段差がなくなるのであった(ちょっぴり喜)。純正アクセサリーのトノカバーは1万8700円である。

 こうしたところへのこだわりが、新型クロストレックのユーザーにどれだけ響くかはわからないが、重い荷物の出し入れ性に大きく貢献するアイディアであることは間違いない。もちろん、いつも大きく高さのある荷物を積むから、ラゲッジルームの上下方向が制限されてしまうトノカバーは不要……、あるいはそのために1万8700円は出したくない……のであれば、フロアボードと開口部に段差ができないように、ラゲッジルーム床下後端にハード素材の”詰め物”をすればいいだけ、とも言えるんですけどね。

 とはいえ、開発陣(デザイン部門?)が先代XVに続き、そうした配慮を忘れていなかったのは、うれしい限りである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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