普通の値段なのに漂う「タダモノじゃない感」! 高級車乗りにマウントを取られないクルマ5台 (2/2ページ)

中古車なら格安のモデルも!

 3台目は、残念ながら現行モデルではなくなってしまいましたが、軽自動車史に残る個性と存在感を見せつけてくれたモデルとして、三菱 i(アイ)とi-MiVE(アイミーブ)はいかがでしょう? アイはガソリン車、アイミーブはEVとして登場したもので、まるでタマゴの殻に包まれているような、コロンとしたボディがまず斬新。しかもエンジンを荷室下に搭載したRRレイアウトで、走りの良さにも定評がありました。

 インテリアもシンプルながらユニークなデザインで、チープ感をうまくポップでおしゃれな雰囲気に変えているところが魅力です。エンジンは自然吸気とターボがあり、RRならではの前後重量配分の特性や、コンパクトカー並みに確保されたロングホイールベースなどによって、ワインディングやサーキットを走っても面白い軽自動車でした。いまでも街中でアイを見かけると、遠くからでもすぐにわかる個性がタダモノじゃないですね。

 4台目は、なんともいえずチカラが抜けた感じと、芸術の国らしい美的センスが独特の存在感を放っている、シトロエン C3。おちょぼ口のような小さなフロントグリルや、ヘッドライトの上にスモールライトが配置されるという奇抜さ、ボディサイドに置かれた大きなエアバンプなど、見れば見るほど面白いデザインです。

 なんとなくのんびりと走るようなイメージがありますが、じつはこのC3、世界最高峰のラリー競技であるWRCでも大活躍するというアグレッシブな一面も見せてくれます。2021年のマイナーチェンジ以降は、エンジンに1.2リッターターボを搭載しており、元気で軽快な走りも魅力的です。

 5台目は、日本でいちばん有名なイタリア車である500(チンクェチェント)かと思ったら、なんか車高が高くてSUVっぽい? と思わず二度見してしまいそうなモデルが、フィアット 500X。そうです、500のお兄さん的存在のクロスオーバーSUVとなっています。フロントマスクも500とよく似ていていますが、ちょっと大人っぽく、上質感あふれるデザインに。

 5ドアハッチバックがSUVになったようなスタイルですが、じつは同じステランティスグループであるジープのレネゲードと多くのパーツを共用し、中身はとってもタフなのです。残念ながら日本では4WDの販売はストップし、FFのみになってしまいましたが、それでも1.3リッターターボの走りはパワフルで、ドッシリとした剛性感が強く感じられ、見た目の印象とはギャップがあるはず。「500っぽいけどなんか違うゾ」、というタダモノじゃない感に目が釘付けになりそうです。

 ということで、どれもお値段的には良心的な価格なのに、個性や存在感がものすごいクルマたち。他人とカブりにくいクルマを探している人も、要チェックです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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