ロスの自動車店に駆け込んだ! あらゆる自動車に乗りまくっているプロが「超個人的に思い入れのあるクルマ」【青山尚暉編】 (2/2ページ)

VWゴルフは現行型のVIIIよりもVIIを選びたい

 ゴルフVIIIにももちろん期待したのだが、1974年の初代から現在に至るVWゴルフの歴史のなかで、ゴルフVIIがひとつの完成形であると、ゴルフVIIIが登場したあとも思い続けているのである。その理由の一つが、ドイツ車らしさ、である。過去、VWゴルフII、BMW325、メルセデスベンツEクラスといったドイツ車を所有した経験があるが、ドイツ車ならではの骨太な乗り味という意味では、やはりVIIがボクにとって思い入れできるほどの”らしさ”を伝えてくれる存在と言っていい。

 また、ワゴン派のボクとしては、VIIとVIIIを比較した場合、車幅は同等ながら、ハッチバックよりホイールベースを伸ばしたVIIIの全長は不要。VIIのコンパクトさが、使いやすさ、駐車のしやすさを含め、今でも大いに気に入っているところなのだ。来年で10年目を迎える我がゴルフVIIヴァリアントだが、乗り換えるとしたらゴルフVIIの7.5と呼ばれもする最終型ヴァリアントのマイスターバージョンを狙っているほどなのである。

 ちなみに今のゴルフVIIヴァリアント・ハイラインで東京~御殿場を往復したとすると、実燃費は18km/Lはいく。国産車と大きく変わらないVWのメンテナンス費用の安さも手放せない、思い入れ続けられる理由のひとつとなっている(今年の車検で14万円程度/諸税含む)。なお、マイゴルフVIIヴァリアントは、途中でCOXのローダウンサスペンションとパフォーマンスダンパーを装着している。タイヤを新しくしただけで(ヨコハマアドバンデジベル)、いまでもビシリと走り、乗り心地良く、エンジンも快調。ボディのしっかり感、スポーツシートの疲れないかけ心地の良さは、いまでも惚れ惚れするほどである。

 一方、自身の自動車生活の中で、実用車ではなく、実所有経験はないものの、思い出深いクルマとして、初代ユーノスロードスターが挙げられる。ライトウエイトオープンスポーツカーの楽しさを、借り物ではあるけれど、モータージャーナリストとしての仕事で、さまざまな場面で走る喜び、操る喜びを目いっぱい味わせてくれた、いまでも当時の記憶が鮮明に残る1台である。

 その時代はまだ若造だったのだが、「クルマ好きジジイの”回春剤”(若さを取り戻せる薬になるという意味)……なんという表現もしたものだった。いま最新のマツダ・ロードスターに乗れば、ジジイになったボクも”回春”できるに違いないのである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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