いま価格高騰しまくりの王道名車がズラリ! 50代の「青春時代」を彩ったスポーツカー4選 (1/2ページ)

腕を磨いたクルマや憧れを現実にできたモデルも存在!

 いま50代の人というと、小中学生のころにスーパーカーブームがあり、運転免許を取得した時期には「走り屋ブーム」があり、そしてドリフトムーブメントにつながっていくといったドライバー青春時代を過ごしている。そのころ、日本経済はバブル絶頂期で、のちに「国産ビンテージイヤー(当たり年)」と呼ばれる1989年を20代で迎えている世代だ。

 それゆえ国産スポーツカーの選択肢は豊富だった。ここでは1985年~1990年までの期間に絞り、4台を選ぶにとどめたが「なんで、あのクルマが入っていないんだ」という声が聞こえてくる。先に言ってしまうと、日産シルビア、トヨタMR2、アンフィニRX-7、ホンダ・ビート、スズキ・カプチーノ……もちろん、トヨタ・スープラや日産フェアレディZなどピックアップしたいクルマはたくさんある。そんなスポーツカー天国だったバブル期を代表する4台のモデルはこちらだ。

1)トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(1983年)

 まずは、現在50代のドライバーが憧れたというよりも、実際に腕を磨いたモデルから紹介しよう。おそらく国産車でもっとも車両型式が知られているモデル、そう「AE86」ことトヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノだ。そのデビューは1983年、1.6リッターDOHC4気筒「4A-G」型エンジンはピークパワーこそ130馬力と突出しているものではないが、カローラがFF化するなかで、スポーツクーペのレビンとトレノだけはFRレイアウトを守ったことで伝説となった。

 後輪サスペンションにしても5リンクリジッドと古典的なものだったが、それがかえってドリフトのしやすさにつながり多くのドライバーを育ててきた。いまでこそコミックやアニメの影響で中古車は高価になっているが、この当時は新車価格でも150万円程度、中古であれば手ごろに手に入る最高の練習マシンとしてスポーツドライビングの入口となったのだ。

2)日産スカイラインGT-R(1989年)

 1989年を国産ビンテージイヤーと呼ぶ理由のひとつは、このクルマが誕生したからとさえいえる。それが日産スカイラインGT-Rだ。こちらもBNR32という車両型式で知られているが、とにかくスカイラインに「GT-R」というグレードが帰ってきたことが話題となった。しかも心臓部はグループA期待のレギュレーションに合致させるための2.6リッター直列6気筒ツインターボで、駆動方式は「アテーサE-TS」というトルクスプリット型4WD。はっきりレースで勝てるメカニズムとなっていた。

 新車価格は約450万円、当時としては高価だったことに間違いないが、20代の若者でもこれだけの高額ローンが組めるのも、またバブル経済の恩恵だった。けっしてラクに買えたわけではないが、憧れを現実にするヤングドライバーもけっして少なくはなかった。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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