ニュルじゃ王座陥落もホンダが新たなFF最速記録を樹立! パイクスピークで見せつけたバカッ速インテグラが凄い

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ホンダが今度はパイクスピークで新たな「FF最速」を獲得

インテグラタイプS DE5が10分33秒174を記録して従来のFF記録を約15秒更新

■市販車最速ではないがホンダのFFスポーツ技術の高さを改めて世界へ示した

これまでのFF最速記録を15秒も更新

 ホンダといえば、ニュルブルクリンクを舞台に「FF最速」の称号をルノーやフォルクスワーゲンと長らく争っているメーカーとして知られる。これまでもシビックタイプRは、何度も「ニュルブルクリンクFF量産車最速」の座に挑戦・獲得し、そのたびにルノー・メガーヌR.S.やフォルクスワーゲン・ゴルフGTIがまた記録を更新するという、まさに意地と意地のぶつかり合いが繰り広げられてきた。しかし、そのニュルブルクリンクでは先日、フォルクスワーゲン「ゴルフGTI エディション50」が7分44秒523を記録。それまでシビックタイプRが保持していた7分44秒881というタイムをわずか0.358秒更新し、ホンダはFF量産車最速の称号を明け渡すこととなった。

 そんなホンダが、新たな「FF最速」記録を打ち立てた。舞台はニュルブルクリンクではなく、アメリカ・コロラド州で開催された「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」。ただし、今回の記録更新は市販車ではなく、市販車をベースに開発されたレーシングカーによるFFクラスでの新記録である。

 標高2862mのスタート地点から4302mの山頂まで、およそ20kmにわたって156ものコーナーを駆け上がる「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」は、「Race to the Clouds(雲へ向かうレース)」の愛称でも知られる世界屈指のヒルクライム競技だ。標高が高くなるにつれて空気は薄くなり、自然吸気エンジンは出力が大きく低下するなど、ドライバーにもマシンにも過酷な条件が課されることで知られる。その過酷さは、ニュルブルクリンクにだって引けを取らない。

 そして、今回で104回目を数える同大会で新記録を打ち立てたのが、アキュラ・インテグラ タイプS DE5だ。ステアリングを握ったのは、フォーミュラDで2度のチャンピオンに輝いた吉原大二郎選手。記録したタイムは10分33秒174で、従来のFFクラス記録を約15秒も更新する圧巻の走りを披露した。

 ベースとなったインテグラ タイプSは、日本ではシビックタイプRと基本コンポーネントを共有するプレミアムスポーツモデルとして知られる。今回参戦した「DE5」は、ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)が北米ツーリングカーレース向けに開発・販売するレーシングカーである。

 搭載される2リッター直列4気筒VTECターボエンジンは、高地での走行に合わせて専用チューニングを実施。大容量インテークやインタークーラーなどを装着し、最高出力は360馬力以上まで高められている。ターボエンジンは過給によって吸入空気量を補えるため、空気が薄い高地では自然吸気エンジンに対して大きなアドバンテージをもつ。さらに、サスペンションやブレーキ、ヨコハマ製レーシングタイヤ、HRC製ロールケージなども採用し、パイクスピーク攻略に向けた特別な仕様が与えられていた。

 じつはホンダにとって、パイクスピークは新たな挑戦ではない。アキュラは今回で16年連続参戦となり、これまで12回のクラス優勝と30回以上の表彰台を獲得するなど輝かしい実績をもつ。2018年にはアキュラTLX GTでFFクラス記録を樹立しており、今回はその自らの記録を大幅に更新する形となった。

 もちろん、ニュルブルクリンクとパイクスピークでは「FF最速」という言葉の意味は大きく異なる。ニュルブルクリンクで争われるのは量産車としての完成度や総合性能であり、市販モデルの実力を示す世界的な指標となっている。一方のパイクスピークは、レースカーによる限界性能やモータースポーツ技術、そして車両開発力の高さを証明する舞台だ。

 つまり、今回の記録は市販車FF最速ではないものの、「FFマシンを極限まで速く走らせる技術」において、ホンダが世界トップレベルの実力を備えていることを改めて証明した結果といえるだろう。

 ニュルブルクリンクでは惜しくもフォルクスワーゲンに王座を譲ったホンダ。しかし、そのわずか数週間後には北米最高峰のヒルクライムでFFクラスの新記録を打ち立て、その高い技術力を世界へ改めて示してみせた展開に、ホンダファンは胸アツだったのではないだろうか。

 ニュルで量産車最速を争い、パイクスピークではレーシングカーで限界性能を追い求める。舞台は違っても、FFを極めようとするホンダの挑戦は変わらない。次はニュルブルクリンクでの王座奪還にも期待したいところだ。


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