最新車よりも興味津々の謎! Z世代が現役時代を知らないハズの「80〜90年代スポーツ」に注目するワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■1980〜90年代のスポーツカーが若者から支持されている

■ゲームやアニメ、漫画などの影響が色濃く残っていると推測される

■現行のスポーツカーたちもドラマやアニメで露出すれば人気となる可能性も

古いスポーツカーが若者から支持される理由

 以前、大学の自動車部がイコールコンディションで競う競技「フォーミュラジムカーナ」の会場で、編集部員が所有するホンダの初代シビックタイプR(以下:EK9)を、とある理由から交通タイムス社ブースに展示した。隣には最新のスポーツカーも並べて展示していたが、学生からの注目度はEK9の方が高かったように見られた。

 若い人が古いクルマに興味があることは以前から言われているが、その理由はどこにあるのか? フリーランスでは業界最年少(!?)の筆者が学生たちと話してわかったこと、そして周辺とのコミュニケーションで見えてきたものをベースに考察していく。

クルマが好きになったキッカケとなるアニメやゲームに登場していた

 学生たちとコミュニケーションしているなかで「クルマを好きになったキッカケは?」と聞くと、漫画作品やゲームといった回答が多かった。人気な漫画作品は「頭文字Ⅾ」や「湾岸ミッドナイト」が多く、ゲームはやはり「グランツーリスモ」が多かった。「頭文字Ⅾ」や「湾岸ミッドナイト」は1990年代から連載しているということもあり、登場車種は90’sスポーツカーが中心となっている(主人公のクルマはもっと古いが)。このように作品で多く登場しているからこそ、彼らにとってはよく知っている車種となり、古いクルマが人気の理由となっていると言えるだろう。作中での活躍を見ているからこそ、自身も所有して雰囲気を疑似体験したいとなるのだ。

 疑似体験という意味ではゲームも同様だ。近年はゲームのなかで好きなクルマを購入してカスタマイズすることができるし、レースだけでなく収録されたコースを背景に写真を撮るなんてこともできる。現実世界ではないが、彼らにとってのカーライフのスタートはゲームのなかなのではないだろうか。ゲームの世界には最新のクルマも収録されているが、古いクルマも多く収録されている。ゲームのなかで触れた一番好きなクルマがもし古めのスポーツカーであれば、それを「現実世界で見てみたい、所有したい」となるのだろう。

現行スポーツカーの人気を高められるか?

 では、現行のスポーツカーたちが90’sスポーツカーたちと同じくらい人気になるにはどうすればいいだろうか? そんな話をすると「いまのクルマは高いから」「法規の関係でいらない装備ばかりだし」「自分の手でイジれない」といった「どうせいまのクルマで頑張ってもムリムリ」というオジサンたちの声が聞こえてくるかもしれない。

 しかし、そんなことはないと筆者は思う。実際、以前に新型Zを広報車で借りたとき、日産本社を出て直ぐの交差点で男子高校生がスマホで撮影していた「ココ(横浜)なら出たばかりとは言えZはよく見かけるでしょ」と思ったが、いまでもあんな高校生いるんだなと思った。現行スポーツカーの人気は、これからだってどんどん高めることはできるはずだ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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マツダ・ロードスター(NB8C後期型)/ボルボV40 T4
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スポーツ走行、写真撮影、ネットラジオ鑑賞
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