どんなにいいクルマを作っても「アルファード&ヴェルファイア」は倒せない? 新型登場が噂される「エルグランド」の前に立ちはだかるいくつもの壁 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ラグジュアリーミニバンの先駆者として人気を博した日産エルグランド

■しかし現在は後発のトヨタ・アルファード&ヴェルファイア一強状態になっている

■4代目エルグランドの登場も噂されるが「クルマで勝っても」アルヴェルを倒すのは難しい

後輪駆動と高級感で初代エルグランドは大ヒット!

 3代目(先代)トヨタ・アルファードはまさに“唯我独尊状態”で販売を続け、高額な大型ラグジュアリーミニバンとしては異例ともいえる年間販売台数で10万台超えもして(2020事業年度締め[2020年4月~2021年3月まで]年間販売台数10万6579台/自販連[日本自動車販売協会連合会]調べ)、まさに大ヒットとなった。しかし、そもそもこのカテゴリーの先駆者といえるのは日産エルグランドといっていいだろう。

 本格3ナンバーワイドボディのミニバンとしては、初代トヨタ・エスティマの存在が忘れられないが、初代エスティマは「天才タマゴ」とのキャッチもあったほど、「ラグジュアリーミニバン」というイメージよりは新感覚ミニバンというイメージが強いし、そもそも北米戦略車として開発されたモデルでもある。

 ただ、初代エスティマの大ヒットにより、日本でも大きなミニバンの市場があることは確認されたといっていいだろう。初代エスティマがデビューしたあと、1995年にトヨタ・グランビアがデビューする。初代エスティマが北米戦略モデルだったのに対し、グランビアは当時の欧州仕様のハイエースベースとした日本市場も強く意識して開発されていたともいえ、そのため「ラグジュアリー」という視点に立つと、いまひとつ垢抜けしておらず、結果として当時のトヨタ・ハイエースワゴンが、運転席の下にタイヤのあるキャブオーバースタイルワゴンで5ナンバーサイズボディなので取り回しが良いということもあり、そのまま高い人気を維持していた。

 そんななか、1997年に初代エルグランドがデビューした。駆動方式が後輪駆動なのはグランビアも同じなのだが、初代エルグランドはV6ガソリンエンジンを搭載。どこかハイエースを感じさせるグランビアに対し(そもそも当時の欧州ハイエースがベースだったので仕方ないのかも)、新規投入車種ということや、高級感がふんだんに盛り込まれた室内などもあり、たちまち大ヒットモデルとなった。

 グランビアは1997年にV6エンジンを追加設定し、1999年のマイナーチェンジのタイミングには、姉妹車としてグランドハイエースやツーリングハイエースを設定してエルグランドを追撃したのだが、力及ばすというところで、2002年に初代アルファードが後を引き継ぐ形でデビューした。

 アルファードが前輪駆動を採用するなか、エルグランドは2002年に2代目が登場しても後輪駆動を踏襲した。アルファードはトヨタらしいラグジュアリーイメージをふんだんに盛り込んだモデルだったのだが、後輪駆動ということもあり2代目エルグランドも人気が高く、まだまだライバル関係は続いていた。

 ただアルファードが2008年に2代目が登場する際に、姉妹車としてヴェルファイアがデビューしたことが転機となった。高級感のあるアルファードに対し、ヴェルファイアはいわゆる「オラオラ」ムードを全面に押し出したモデルとして、アルファードとともに大ヒット。結果としてヴェルファイアが駆動方式は別としても、エルグランドの市場を食う結果となり、ほぼ勝負がついたような状態となった。

 エルグランドはその後2010年に前輪駆動を採用する3代目がデビュー。

 しかし、2代目アルファードと初代ヴェルファイアの勢いが弱ることなく、2015年に3代目アルファード、2代目ヴェルファイアがデビューすると、その後ヴェルファイアも失速し「アルファード一強時代」がここ数年続いている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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