FCEVがスポーツしたっていいじゃないか! MIRAI SPORT CONCEPTの2号車の展示で高まる市販化への期待

この記事をまとめると

■トヨタはスーパー耐久富士24時間耐久レース会場で「MIRAI SPORT CONCEPT」を公開した

■WEC世界耐久選手権富士6時間レース会場にも細部が異なる「MIRAI SPORT CONCEPT」2号車を展示

■現段階ではFCEVの選択肢を広げるための提案に過ぎないがゆくゆくは市販化に向けた動きがあるかもしれない

水素の可能性を追求するモデルとして新しい方向性を打ち出す

 今年の5月末、富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久富士24時間耐久レースのイベント広場では、新型クラウンセダン(左ハンドル仕様)を日本で初公開。その一方で、隣にはFCEV「MIRAI SPORT CONCEPT」を展示していた。

 同車は現行MIRAIをスポーティテイストに仕立てあげ、水素の可能性を追求するモデルとして新しい方向性を打ち出したコンセプトモデルだ。マットブラックにペイントされた迫力のあるボディは、ベース車両に対してフロント造形が異なっている。さらに、ボンネットとトランクにはカーボンを採用したほか、リヤにはスポイラーとディフューザーを追加。車高に関してもローダウン化がなされている。

 その後、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場でも展示されたMIRAI SPORT CONCEPTが、WEC世界耐久選手権富士6時間レースのイベント広場に再登場した。だが、富士24時間の際に見たモデルとは見た目が変わっている。

 聞けば、今回展示されたモデルは、富士24時間レースで展示されたものとは別の試作2号車。富士24時間レースの会場では来場者に向けて、MIRAI SPORT CONCEPTの印象をアンケート形式でうかがっていた。そのときの評価が後押しとなって、2号車の製作に取り組んだのだという。

 外観では大型化されたリヤスポイラーが装着されているほか、ボンネットにはフードバルジを追加して熱対策を実施。また、パワーの出力アップや足まわりの変更も行っているとのことだ。

 さらに、9日の午前中に行われたサーキットサファリでは、ル・マン24時間レースをオーガナイズするACOのピエール・フィヨン会長がMIRAI SPORT CONCEPTのステアリングを握り、パレードランを実施。フィヨン会長の愛車はなんとMIRAIで、日常的に運転しているとのこと。スポーティな味付けがなされたモデルに試乗したフィヨン会長は、終始ご満悦だった模様だ。

 現段階ではFCEVの選択肢を広げるための提案で、市販化の予定は未定とのこと。だが、試作2号車の評判次第では試作3号車の製作……、そしてゆくゆくは市販化に向けた動きがあるかもしれない。


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