環境云々とか関係なくて「身を守るため」にEVやPHEVに乗るのはアリ! 自然災害の多い日本ならガチで検討すべき選択だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■地震が多い日本では外部給電機能を持っている電気自動車が注目されている

■V2H機能を持った専用機器を導入すれば、約1週間家庭用の電気をクルマで賄える

■電気自動車は電気を使い切ったら終わりだが、PHEVであればエンジンで発電も可能だ

自然災害が多い日本だからこそ、いま電動車が注目されている

 南海トラフ巨大地震などの報道が増えてきている影響なのか、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHEV)の特徴として、外部給電機能を持っていることが注目されています。

 かつて電動車の給電機能といえば、アウトドアでホットプレートや炊飯器、扇風機などの家電を使えるというレジャー視点が多かったように思いますが、災害などで電気インフラが被害を受け、停電してしまったときに生活を支える防災アイテムのひとつとして、電動車の存在感が増しているといえるでしょう。

 EVについては、バッテリーに溜め込んである電力を供給することで数日間は生活を維持することが期待できますし、エンジンで発電できるPHEVであれば、バッテリーの電力を使い果たした後でも給電できます。

 水素燃料電池車(FCEV)も発電機を積んだクルマといえますし、外部充電機能を持たないポピュラーなハイブリッドカー(HEV)であっても、エンジンで発電するシリーズハイブリッド系モデルのなかには給電機能を持っていることも少なくありません。

 災害時の生活を第一に考えて愛車選びをするというユーザーは少数派かもしれませんが、「給電機能があったほうが安心」と感じる人は決して少なくないでしょう。

 たとえば、HEVの代表モデルといえるトヨタ・プリウス(2リッターエンジン車)の場合、最大1500Wの外部給電が可能となっています。エンジンによる発電量というのは通常の諸元表には載っていない情報ですのでメーカーの発表を信じるしかないのですが、プリウスの場合は、ガソリン満タンであれば約48kWhの給電が可能なポテンシャルを持っているといいます。

 さらに、最近の電動車においては「非常時給電機能」が備わっているモデルが増えています。これは走行機能を停止したうえで、給電機能だけを有効にできるというもの。給電中の電動車を誤って走らせてしまうと事故につながりますから、安心して給電機能を利用するためには、非常時給電機能の使い方を覚えておきたいものです。

 たとえば、トヨタ車の場合は、以下の操作で非常時給電システムが立ち上がります。

1:ブレーキを踏まずにパワースイッチを2回押す
2:AC100Vスイッチを3回連続で押す
3:マルチインフォメーションディスプレイに非常時給電モードの表示が現れる

 というわけで、知っていれば非常に簡単に非常時給電機能を起動することができます。愛車に非常時給電機能が備わっているのであれば、安全な場所で試しておくといいかもしれません。

 ところで、一般家庭の平均的な消費電力量は1日あたり10kWhとされています。前述したように、プリウスは満タンからの給電で48kWhを供給できる能力を持っていますから、おおよそ5日分の電力を確保できる計算になります。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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