「GTI」か「R」か! ゴルフのスポーティグレードで迷ったらドッチを選ぶのが正解? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■フォルクスワーゲン・ゴルフにはスポーティグレードとして「GTI」と「R」が存在する

■ホットハッチの楽しさを持つ「GTI」とゴルフの皮を被ったスポーツカーの「R」というイメージ

■本記事では両車の違いを明らかにしている

ゴルフをスポーティに仕立てた「GTI」と「R」

 世界のコンパクトカーのベンチマークであり続けるのがフォルクスワーゲン・ゴルフだ。欧州のコンパクトカーはもちろん、日本のコンパクトカー、さらにはミニバンでさえ、ゴルフをベンチマークにしているほどだ(国産自動車メーカーの話によるとゴルフVII)。

 そんなゴルフももう8代目になるが、ラインアップは豊富だ。ベースグレードのゴルフにはマイルドハイブリッドの1リッターTSIターボ、1.5リッターTSIターボ、2リッターTDIターボエンジンが揃い、その上位に「ホットハッチ」というジャンルを築き上げたスポーティハッチバックモデルの、2リッターターボエンジンを積むGTIがあり、さらに「ゴルフの皮を被ったスポーツカー」と称される、2リッターターボ、320馬力を発揮するゴルフRが君臨する。また、ゴルフR20周年を記念したゴルフR 20Yearsは335馬力までチューンナップされたR歴代最強のスペック、パフォーマンスを見せつける。

フォルクスワーゲン・ゴルフR 20Yearsの走行写真

 ここでは、実用的なスポーツモデルを望むユーザーにとって、羨望のゴルフGTIとゴルフRの違いについて解説したい。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIのリヤスタイリング

 まずは価格だ。GTIはベースモデルで514.4万円~。純正ナビのDiscover Pro付が535.3万円~。純正ナビのDiscover Pro+テクノロジーパッケージ付きの555.1万円~のほか、最上級の純正ナビのDiscover Pro+テクノロジーパッケージ+レザーシート仕様ともなれば634.3万円に達する。Rはベースモデルで677.2万円~。DCC、19インチアルミホイール付きで700.3万円~。R 20Yearsともなれば792.8万円~ものプライスタグをつける。

フォルクスワーゲン・ゴルフR 20Yearsのハンドルまわり

 パワーユニットはともに2リッターターボながら、チューンが異なり、GTIは245馬力、37.7kg-m、Rは320~335馬力、42.8kg-mと、R 20Yearsの例を挙げれば、0-100km/h加速4.6秒(※Rは4.7秒)という高性能スポーツカーそのものの加速性能を持つRが圧倒する。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIのエンジンルーム

 しかし、両車の大きな違いは、モデルラインアップにあると思う。GTIはホットハッチの代名詞だけに、歴代、5ドアのハッチバックボディのみ。シートは伝統のチェック柄を、いまではちょっぴり大人っぽく仕上げたものを使い続けている。ちなみにスペックは、多少だが、Rに遠慮した数値になっているのかも知れない。そして駆動方式は歴代、前輪駆動のFFである。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIのハンドルまわり

 一方、Rはハッチバックだけでなく、標準型ゴルフでの人気のヴァリアント=ステーションワゴンのふたつのボディを用意しているのが特徴で、なおかつ駆動方式は強大なパワー、トルクを確実に路面に伝えるため、VWでは4MOTIONと呼ばれるフルタイム四輪駆動のみとなっているのだ。

 それは発進加速でのパフォーマンスにも大きく影響し、FFのGTIだと前輪の空転に配慮した出力特性になるところを(最新モデルは電子制御LSDによってトラクション性能は劇的に進化しているからご安心を)、発進加速から文句なしの瞬発力、快音を放つ刺激十分な加速力を前輪の空転なしに発揮してくれるというわけだ。

 また、Rにはレースモード、VW日本初採用のニュルでのタイムをかせぐためのドリフトモード(R 20Years)といった、かなり本格的なドライブモードも設定されているのである(GTIはゴルフの標準モデル同様のアダプティブシャシーコントロールDCCとしてエコ/コンフォート/スポーツ/カスタムの4モード)。

フォルクスワーゲン・ゴルフR ヴァリアントのフロントスタイリング


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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