ルノーのハイブリッドはガチで凄い! 「Eテック」搭載のアルカナ・ルーテシア・キャプチャーは日本車乗りも要チェックモデルだった

この記事をまとめると

■「ジャパンモビリティショー2023」のJAIAブースにルノーが市販車を展示

■ルーテシア・アルカナ・キャプチャーのEテックパワートレイン搭載モデル3台を展示

■JAIAブースでは電動車のバッテリーやパーツの回収、リサイクルをうけもつ国内企業の紹介もされた

ルノーがEテックハイブリッド搭載の3台を展示

 未来のモビリティをリアルスケールで体験しにいく、それがジャパンモビリティショーのテーマなので、未来志向のコンセプトや、まだ市販化はこれからというモデルも多い。そのなかで、場合によっては即納可能な近接未来、リアリストなクルマを展示したのがルノーだった。

 じつはディーラー以外でも実車を実地で見せられる機会をルノー・ジャポンは大切にしていて、JAIA(日本輸入自動車組合)のブースを間借りして3台を並べることが急遽、決まったという。

ジャパンモビリティショー2023に展示されたルノー車

 ルノーが日本市場で電動モデルとして積極展開しているシリーズといえば、独自方式のストロング・ハイブリッドとして知られる「Eテック」だ。欧州コンパクトのベストセラーであるルーテシア、コンパクトSUVクーペのヒット作アルカナ、そしてコンパクトSUVの主軸キャプチャー、それぞれのEテック・パワートレイン搭載モデルだ。

 とくに前2車は、最近スポーティかつシックな外観だと評価の高い「Eテック エンジニアード」仕様だ。ペイル・トーンのゴールドが、前後のスポイラーやボディサイドのオーナメントにアクセントとしてあしらわれている。

ルノー・アルカナEテックエンジニアードのフロントスタイリング

 アクセントカラーというと、無駄にビビッドな赤とかオレンジ、ピンクなど、「ハデめじゃないと仕事ぶりが甘い」と判断されるのを恐れる日本と違って、己をよく弁えたような、うっすらとシック、かつ微妙な「空気感コントロール」だからこそ目で追いたくなる効果を、ぜひ自分の目で確かめていただきたい。

ルノー・アルカナEテックエンジニアードのインテリア

 ちなみに見えない部分だが、ルノー独自のフル&ストロング・ハイブリッドである「Eテック」の秘密は、45km/h以下の領域は基本的にEV走行、つまり電気モーター駆動で走行しつつ、裏ではICE駆動のギヤがスタンバイしていること。逆に、それ以上の負荷領域ではICE走行しているときも同様で、切り替わり時はアクチュエーター制御で無駄なショックを感じさせない。しかもダイレクトで効率に優れたドグクラッチが機械式連結をうけもつ。つまり、トランスミッション部分で、電気モーターと機械式が代わる代わる、ダブルクラッチ式のように滑らかに間段なく切り替わりつつ、駆動力を間断なく伝えるのだ。

ルノー・アルカナEテックエンジニアードのリヤスタイリング

 そのメリットは、まず走りの面で駆動感がダイレクトで心地よいこと。高効率ということだ。そしてハイブリッドにしてはトランスミッションごと軽くコンパクトなため、実燃費に優れること。ちょっとエコランしたらカタログ値超え、が頻発する。エコ化・低カーボン化の恩恵を、質感の高い内装とあわせて乗り手が真っ先に感じられるところも、ルノーEテックシリーズのリアルな魅力といえるだろう。

 ちなみにルノーと衝立1枚挟んで展示中のJAIAは、じつに26年ぶりの出展。その展示内容の白眉は、電動車のバッテリーやパーツの回収、リサイクルを受け持つ国内企業の紹介だ。循環型経済が現実味を帯びると、自動車メーカーは自社EVモデルの地域ごとの回収やリサイクルはできても、インポーターや現地ディーラーを挟む輸出先では難問も少なからず、輸入車オーナーやその予備軍の肩身が狭くなりそうでもある。そうした問題を予見して、社会的な責任への取り組みに寄り添うのが、こうした組合の役割という訳だ。

ジャパンモビリティショー2023のJAIAの展示

 ジャパンモビリティショーが日本ローカルの枠組みにとどまらない催しであることも、また知っていただきたい。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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