F1を目指すニッポンの若き虎たちがしのぎを削った! HRS-Fの2024年度スカラシップ獲得者が決定!! (2/2ページ)

若きドライバーたちの今後の活躍に期待

 スカラシップ選考会すべての走行スケジュールが終了し、一行は昼休憩に向かった。その後、講師陣らと選考担当者は、サーキット内の一室でスカラシップ獲得者の選考を開始。当初1時間の予定だったがなかなか決まらず、約1時間遅れてスカラシップ発表会が開始された。

 発表会には受講生のほか、佐藤琢磨プリンシパル(校長)と中野信治バイスプリンシパル(副校長)をはじめとした講師陣、受講生の父兄、そして多くの報道陣が参加した。発表に先立ち、HRCの青木武治氏から挨拶があり、その後、佐藤プリンシパルがマイクを引き継いだ。

 佐藤プリンシパルは、「今年は全員のレベルが高く、選考にとても苦労しました。その結果、時間がかかってしまい申し訳ありません」と開始が遅れたことに対する謝罪の言葉のあと、「首席、加藤大翔。次席、洞地遼大。以上です」と告げ、スカラシップ発表会は幕を閉じた。

 首席でスカラシップを獲得した加藤は「今後、海外でもっとレベルの高い選手と戦うなかで苦戦することもあると思いますが、自分のベストを尽くして毎年厳しい戦いのなかで1番を取って行こうと思っています。そして、F1に乗った際には、そのときの苦労と経験が活かせるようにしていきたいです。「目標は2027年にF1ドライバーになることなので、達成に向けて頑張ります」とコメントした。

 一方、発表後は報道陣による撮影会の間も表情が硬かった洞地は、「首席じゃなかったことがとても悔しいです。スカラシップを取れたのは良かったですが、自分は2年目なのに年齢がひとつ下の加藤くんに首席を奪われてしまいました。今後苦しいことがたくさんあると思いますが、それに負けず、来年からは必ず1番を取って、F1でチャンピオンを取れるように頑張っていきます」と、悔しさを噛み締めながらも将来の目標を口にした。

 佐藤プリンシパルも発表後報道陣の取材に答え、「非常に生徒のレベルが高く、全員がスカラシップに該当する資質を持っていました。その状況を踏まえて、将来性を考えて選考したのですが、なかなか決まらない。それぐらい拮抗していました。スカラシップを獲得したふたりには来年、しっかりとしたサポートをしていきます。獲得できなかったふたりには今日の悔しさをバネに、将来的には選ばれた2名を上まわるぐらいの気持ちで頑張ってほしいと思っています」とコメントした。

 ちなみに、現在F1で活躍している角田裕毅は2016年、スカラシップ選考会まで進んだが、発表会で名前を呼ばれることはなかった。しかし翌年のFIA-F4では、スカラシップを獲得して主席で卒業した大湯都史樹を上まわり、同じくスカラシップを獲得して次席の笹原右京に次ぐランキング3位を獲得。参戦2年目となる2018年には見事チャンピオンに輝き、渡欧して3年でF1まで上り詰めた。

 スカラシップを獲得した加藤と洞地、そして彼らに匹敵する力を持っていながらも選ばれなかった新原と山口……4人の将来の活躍に期待したい。


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