名作なのか迷作なのかパーツごとに色が違う! VWが大マジメに作った「ハレキン」って何? (1/2ページ)

この記事をまとめると

フォルクスワーゲンの「ハレキン」について解説

■「ハレキン」はパーツの交換のしやすさを謳う宣伝として制作されたがその見た目の奇抜さで人気になった

■欧州では1994年に「ポロ ハレキン」が台数限定で市販化されたこともあった

まるでアート作品のようなボディカラー

 一見すると「なんじゃこりゃ?」とギョッとするようなカラーリングに、これは狙いなのか、天然なのか、よくわからないけどとにかく目立つ! そんなクルマがフォルクスワーゲンの「ハレキン」です。

 赤、黄色、グリーンにオレンジと、よく見ればパーツごとに色がちがうって、これもしかして? と閃いたアナタは鋭いですね。じつはこの「ハレキン」の歴史は古く、1964年にType1(ビートル)で登場したのが最初のモデル。これには意図があって、ビートルのパーツが簡単に交換できて、修理が容易ですよ、ということをアピールするために、各バーツがバラバラの色で構成されたビートルを制作したとのことなのです。

 ちなみにこの「ハレキン」とは、ドイツ語で道化師を意味する言葉です。英語にすると「ハーレクイン」になるんですが、道化師のように、カラフルな衣装とコミカルな演技で人々を明るくする、という意味も込められています。

 そして、この1964年のビートルを参考にして制作されたのが、1995年にドイツ本社が発表したポロ・ハレキン。こちらは、フォルクスワーゲンが1994年に発表した「4つのブロック」戦略のプロモーションを行うためのものでした。4つのブロックというのが、「ドライブ」「装備」「オプション」「カラー」だということで、それぞれのイメージカラーを「ドライブ=ブルー」「装備=イエロー」「オプション=レッド」「カラー=グリーン」と定めて、1台のポロに4色を塗り分けたクレイジーカラーのポロを20台限定で作ったそう。

 それがプロモーションで話題となり、「欲しい」という声が大きくなったことから、ポロ・ハレキンが市販化されることになりました。合計で3100台ほどが販売されたといいますが、驚くのは、納車されるまでどのパーツにどの色が使われているのか、指定ができずお楽しみとなっていたということ。それでも欲しいという人がいたというところに、ヨーロッパの人たちの余裕というか、遊び心を感じますね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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