家電みたいにどこの店舗で買ってもいい……ってワケじゃない!? 新車ディーラーの「テリトリー」って何? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■自宅エリアから離れた新車ディーラーに行くと来店理由を聞かれる

■ディーラーには基本的に担当エリアが決まっているためだ

■いまは情報が共有されているため同系列の近所のディーラー同士を競わせることはできない

自宅から離れたディーラーでも商談は可能だが……

 筆者は仕事柄新車ディーラーへひんぱんに足を運ぶ。そして、自宅から離れた距離の店舗を訪れると決まって「なぜこの店へきたのですか?」といったような質問をセールスマンから受ける。このようなことを聞く背景には、多くのディーラーでは店舗ごとに“販売担当地域”というものが存在するためだ。80年代後期辺りまでは、新車販売は飛び込み営業も当たり前となる“訪問販売”が一般的とされていた。そして、とくに飛び込み営業を行う際に、各店舗の“テリトリー”というものを決め、そのエリア内について各々飛び込み営業を行っていたのである。ただし、テリトリー外のお客がお客の事情で店舗を訪れたり、既納客から紹介された場合などについては販売テリトリーの縛りは適用されなかったとも聞いている。

 店頭販売が当たり前となったいまでは、仮に販売担当地域が決まっていても形骸化しているともいえ、どこの店舗で商談を行うのかはお客に任されているといっていいだろう。

 前述したような質問をセールスマンがしてくる事情としては、他店のセールスマンとすでに商談を進めていないかをチェックするということのほうが大きくなっているようだ。過去にはフリーで来店したお客に、「お客様の自宅ですと、当店は担当地域ではございません」といって商談を断るケースもあったようだ。いまや販売担当地域というのは半ば形骸化しているのだが、“商談の優先権”というものはいまでも存在しているのである。

 たとえば都市部では、生活圏内に同じ資本の同じメーカー系ディーラーの店舗が複数存在することが多い。そのような同資本同メーカー系列ディーラーの場合、同時に複数店舗で商談を進め、値引きなど購入条件を競わせることはできないのである。そして最初に商談を始めたセールスマンの商談を進める権利があることになる。このような確認は同資本同メーカー系ディーラーの店舗間では端末上の来店記録で確認することができるので、見積りを作成しに事務スペースへ行った時などに確認していることも多いようだ。

「お客様はすでに弊社他店で商談をされていますので……」と直接断るケースもあるようだが、明らかに購入条件を競わせるために確信犯的に複数店舗を訪れていると判断された場合は、最初に商談を行った店舗の担当セールスマンに連絡して進行状況を確認し、新たに商談を申し込んできた店舗のセールスマンが値引きなどの購入条件を押さえて、最初の店舗の商談に絞り込ませるように仕向けると言ったこともあるようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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