モデルチェンジを繰り返したら売れなくなった!? かつての大ヒット車4台の販売が落ち込んだ理由 (2/2ページ)

最盛期の約10分の1しか売れなくなったモデルもある

■日産

●スカイライン

 スカイラインの販売面における最盛期は1973年で、4代目(通称ケンメリ)が1カ月平均で約1万3130台を登録した。

 ところが2023年1〜11月は、1カ月平均が約190台だ。スカイラインの売れ行きは、50年前の約1.4%まで落ち込んだ。

 50年前のスカイラインは、カッコ良くて速く、しかも運転感覚やボディの大きさが馴染みやすい。自分もカッコ良く生きたい若い男性の多くが憧れる存在だった。

 クルマがツールになったいま、往年のスカイライン人気は望めないが、贅肉を削ぎ落とすことは考えていい。歩行者を検知できない衝突被害軽減ブレーキなど、手抜きも目立つ。スカイラインNISMOを追加する前に、当然の開発を行うべきだ。スカイラインNISMOは購入希望者が多かったのだから、商品力を高めてユーザーの期待に応えて欲しい。

■ホンダ

●シビック

 シビックはかつて、若年層の憧れの存在だった。とくに3ドアボディは、5ナンバーサイズながらもカッコ良くて運転しやすい。1995年に登場した6代目でも、売れ筋の3ドア1.5VTiの価格は151万2000円であった。

 1997年にはシビック初のタイプRを加える。5ナンバーサイズのボディに最高出力が185馬力(8200回転)の1.6リッターVTECエンジンを搭載して、峠道では抜群の速さを誇ったが、価格は199万8000円であった。

 それがいまは3ナンバーサイズの5ドアハッチバックになった。価格はもっとも安価な1.5リッターターボでも324万600円だ。タイプRは最高出力が330馬力(6500回転)の2リッターターボを搭載して、価格は499万7300円になる。

 このようにシビックの価格は、どのグレードでも約30年前の2倍以上に達する。当時のシビックはいまのホンダ車でいえばフィットに相当した。その結果、シビックは売れ行きも下がった。1995年は1カ月平均で約9500台を登録したが、いまは約1150台だから、約30年前の12%程度に留まる。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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