まるで新車のごときキューブのカスタムカーが20台限定で発売! しかも日産自ら「リノベ」するその中身とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産が「キューブ・リフレッシュド&レトロ・コンセプト」をベースとした限定車を発表

■奈良日産を通じて中古車をベースに「キューブ・レトロリノベーション」として販売する

■限定20台を準備し、価格は160万円前後を予定している

話題になったデモカーが手に入るチャンスがやってきた!

 昨年より来場者が約5万人増加という形で幕を閉じた東京オートサロン。このイベントでは、国内外の自動車メーカーをはじめ、さまざまなサプライヤーやチューニングショップなどが自慢のデモカーを持ち込んで、展示および販売するという世界最大級のカスタムカーショーとして、いまでは世界中から多くのクルマ好きが訪れる一大イベントだ。

 そんなオートサロンの会場でひときわ大きなスペースを持つ日産ブースでは、今回、パティシエとして徳島県で活躍する高橋初姫さんの仕事をサポートする形で、中古車のK13型マーチをベースにリメイク及びカスタムを施した「マーチ patissier CONCEPT」を展示し、これが大きな話題となった。

 ド派手なチューニングカーなどが多いオートサロンという会場で、こういったキャラクターのクルマ、それもマーチともなれば、正直なところやや日陰な存在になりがち。ではなぜ、この車両が大きく注目されたのか。

 それは”中古車をリメイク”したモデルということも要因として挙げられる。このクルマは、ステアリングやドアノブ、紫外線などでダメージを受けたヘッドライトやワイパーアームをすべて新品交換し、リフレッシュを施している。中古車にひと手間かけてやることで、価格を抑えつつ気持ちのいい状態を実現し、中古車に第二の命を吹き込む。こうした提案をメーカーが率先して行ったことが最大のポイントであった。

 ちなみに、この中古車をリノベーションするという企画、じつはいまに始まったことではないのだ。そう。日産の中古車リノベーションで蘇ったこのマーチは、企画的に言えば第2弾(R34GT-RのZ-Tuneも中古車ベースの製作であったが今回は除外)。

 では、「第1弾は?」

 その答えは1年前、2023年の東京オートサロンで展示されていた「キューブ・リフレッシュド&レトロ・コンセプト」だ。これも先述のマーチ同様に、中古車をベースにリメイクしたデモカーであった。このときもやはり、すでに販売終了となっていたZ12型キューブの中古車をベースに仕上げた点が話題となった。

 この会期中にメーカーサイドに寄せられた声が、「これを販売してくれ!」という感想。通常、メーカーがこの手のイベントで展示するクルマの多くは「コンセプト」であり、販売を前提にしていない。しかし、このコンセプトモデルは、「中古車をリメイクしてひと手間加えただけ」という、市販しようと思えばできる仕様。日産も企画した時点で、「その気になれば市販できるかもしれない」と内心で思っていたはずだ。

 そして日産は”その気”になったのだろう。1年の歳月を経てついに誕生したのが、今回紹介する「キューブ・レトロリノベーション」だ。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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