大型HVトラックに外部給電……って何に使う? 日野プロフィアの目論見とは (2/2ページ)

外部給電システムは一般家庭に向けたものではない

 今回のマイナーチェンジで、新たな試みとして導入されたのが外部給電システムである。これは、別売りの外部給電器を使用することで、家庭用電気機器などを使用できるようにするものだ。同社に搭載されているバッテリーは、リチウムを使用した大容量のタイプ。ディーゼルエンジンの発電機能と合わせることで、出力9kWなら41時間も電力供給が可能だという。

 外部給電機能は電気自動車の一部にもみられるが、これは将来的にスマートハウスを意識したもの。住宅で必要とする電力を、電気自動車のバッテリーからも得られるようにしたものだ。日常的には従来のような電力会社からの供給や、太陽光発電などを利用した自家発電も使用するので、電気自動車からの供給がメインになるわけではない。

 同車の外部給電装置は大型の事業用車両という特殊性から考えて、このような一般家庭に向けたものではないといえよう。たとえば、災害が発生して電力会社の電気供給が停止したとき、電源車として使用するなどといった利用法が考えられる。対象となるのは、大型トラックが出入りをしたり留置されたりする、物流センター/工場/大型小売店/運送事業会社に加えて、避難所なども含まれることになるだろう。

 将来的には、近年注目されつつあるキャンプやクルマ生活、あるいは事業用トレーラーハウス(宿泊施設、葬儀場)などといった活用シーンで、電源が供給できなくてもサービスの利用・提供が可能になり、活動・事業範囲が拡大するようになるかもしれない。いずれにせよ、大型トラックによる外部給電は緒についたばかり。今後の展開が期待されている。


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