好きなEVは沢山あるけどライフスタイル的に難しい! 【私がEVを買わない理由 まるも亜希子編】 (2/2ページ)

メリットも多い一方でまだまだ縛りが多いのも事実

 私の考える、現時点でEVとの相性がいい人の条件は、大きく3つ。

 まず、自宅に充電設備が整えられること。高速道路のSAなどに設置されている急速充電器もこれから数が増えて整備されていくと予想されていますが、人気スポットでは「充電待ち」も増えていますので、基本は自宅での充電をメインに使えることが理想的ではないでしょうか。

 次に、休日を含めて1回の移動距離が100〜150km以下であることが多い人。満充電から走行できる距離はカタログ値で300〜500km程度のモデルがほとんどですが、エアコンを使ったり、坂道や渋滞、高速道路など走行状況によって予想以上に電気を使うため、実質的にはカタログ値の半分程度と考えて行動するようにしています。

 とくに、途中で急速充電器を使う場合には、1回30分の充電でどのくらいの走行距離分が貯められるのかはそのときのEVの状態、充電器の性能によって変わってくるので、期待どおりにいかないこともあるのです。

 このふたつのことから、遠出をするときにはたっぷりと時間の余裕がもてることも条件のひとつと考えています。目的地までの間にいくつかの充電スポットをめぐりながら、その土地のグルメや観光を楽しんだり、充電したことによって新しい出会いがあることに喜びを感じられるような、スローライフなドライブが、EVはピッタリではないでしょうか。

 最後に、太陽光発電の家やオール電化住宅などに住んでいて、EVを蓄電池としても活用できる環境にある人も、EVの長所を引き出せると思います。国産車など一部のEVに採用されているV2Hというシステムを活用すると、自宅で発電した電気をEVに貯めて、使いたいときに家庭の電源として使うことができます。災害時の備えとしても心強い存在。

 また、アウトドアレジャーが趣味の人なら、家電などのコンセントとして使えるV2Lを使って、ホットプレートや電気ポット、電気ストーブなども屋外で使えるようになるので、これまでとはちがったアウトドアレジャーができるのも魅力ですね。もちろん、PCをつなげてワーケーションもできます。

 そんなわけで、私がEVユーザーになれるのは、この仕事を引退したときかな? ゆっくり時間をかけて、充電スポットを探しながら全国各地の温泉巡りをするというのも、いつかやってみたい夢でもあります。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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