ジウジアーロの血が入った新たなメーカーがイタリアに誕生! 5台全部スペックがバグって見える「ラフィット・アウトモビリ」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■プロドライバーが設立した「ラフィット・アウトモビリ」という新興メーカーが誕生

■ジョルジェット・ジウジアーロが率いるデザイン事務所がエクステリアを手掛けている

■各モデルは限定20〜25台前後の生産となる予定だ

レーシングドライバーが設立した新興ブランド

 イタリアのトリノに、またハイパーカーの新興勢力が誕生した。トリノに本社を置くラフィット・アウトモビリ社がそれで、設立したのはパスカル・コーエンと、ブルーノ・ラフィットのふたり。

 CEOのブルーノ・ラフィットは、1990年から2000年まで、自身もプロドライバーとして活躍し、同世代のドライバーのなかではトップ10にまで数えられる存在だった。ちなみに1974年から1986年までウイリアムズやリジェでF1マシンのステアリングを握ったジャック・ラフィットは彼の叔父にあたる。

 ラフィット・アウトモビリの存在が初めて世界に伝わったのは、多くの観衆で賑わう昨年のF1マイアミGPでのことだった。ラフィット・アウトモビリはここで、2024年からデリバリーを開始する予定だという5台のモデルを一挙に公開。まさにレーシングカーそのもののスタイルを持つ「LM1」、ハイスピードのオフロード走行をも可能にするクロスオーバーSUVの「アトラックス」と「同ストラダーレ」、「バルケッタ」と「同クーペ」の5モデルがそれだ。

 そのスタイルは、どれもシャープなライン構成を特徴とするもので、かつフロントマスクの造形は、3モデルとも共通するコンセプトでまとめられている。これほどに刺激的で、かつ未来のスポーツカー、あるいはクロスオーバーSUVを想像させるデザインを描き出したのは誰なのか。それがイタル・デザインを去った、ジョルジェット・ジウジアーロが新たに率いる、GFGスタイルの手によるものだと知れば、その魅力にもさらに理解が深まろうというもの。さらに彼らは、この5台のモデルを、わずかに半年ほどの時間でデザインしたというから驚きである。

 まずは、まさにサーキットからオンロードへと解き放たれたかのようなデザインが実現されたLM1から、その概要を説明していこう。このLM1に限らず、ラフィット・アウトモビリのテクニカルなパートはすべて、こちらもF1やWECでお馴染み、同じイタリアのLMジアネッティ社がそれを担当している。

 現在の段階ではまだ詳細は発表されていないが、LM1のパワーユニットは、1151馬力の最高出力と1600Nmの最大トルクを誇るエレクトリックモーターで、駆動方式はもちろんRWD。1650kgという軽量な車重もあり、0-100km/hを1.98秒で、また最高速では350km/hを記録する。

 このような超高速域で効果を発揮するのが、GFGスタイルによりエアロダイナミクスが最適化されたボディスタイル。BEVでありながら、レース用エンジンのサウンドを発生させるシステムを備えているのも面白いアイディアだ。参考までに一充電での最大航続距離は410kmと発表されている。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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