【試乗】素直にカッコイイ! 走りは上質! 燃費もスゴイ! クラウン・スポーツPHEVに死角らしい死角が見当たらない (1/2ページ)

この記事をまとめると

■中谷明彦氏がクラウンスポーツのPHEVモデルに試乗

■システム出力は306馬力となるほか、フロントには6POTブレーキキャリパーなどが備わる

■走りの質感やデザインはどれも新世代のクラウンを名乗るに相応しい1台となっている

圧倒的にスタイリッシュな見た目のスポーツにPHEVが加わった

 スタイリッシュな外観がとにかくかっこいいクラウンスポーツに新たにPHEV仕様が登場した。

 クラウンにはセダン、クロスオーバー、 スポーツ、そしてエステートという4種類のバリエーションが展開されることがアナウンスされているが、そのなかでもクロスオーバーとスポーツは、ハイブリッドかつe-Fourシステム(4WDシステム)を搭載するということで、パワートレインの共通化が図られている。

 すでにハイブリッドモデルの試乗リポートは多く見られるが、その質感が高い走りと軽快なハンドリング、優れた燃費など、スタイリング、デザインだけでなく走りの好特性がポジティブにリポートされていることと思う。

 今回登場したPHEVは、そのクラウン・スポーツをさらにプラグインハイブリッド化したもので、大きな期待を抱かせるクルマだ。

 PHEVは大容量バッテリーをフロア下に搭載し、CHAdeMOの急速充電にも対応していて、EV走行の航続距離が長く取られている。クラウンスポーツPHEVに採用されているのは51Ah(アンペアアワー)のリチウムイオンバッテリーで、床下に搭載されている。51Ahは355.2V(ボルト)をかけることで、電力量としては18.1kwh(キロワットアワー)という数値になる。

 一般的にはキロワットアワーで表示されることが多く、またクラウンスポーツの電費計もメーターに表示されるものはkm/kwhとなっていて、「なぜカタログはAh表示なのか?」というところは若干疑問を感じるところであるが、その辺を開発陣に質問をしても明確な返答は得られなかった。

 18.1kwhのバッテリーはRAV4のPHEVに搭載されているバッテリーと同じものだという。カタログによればEV走行換算距離は90kmと示されており、RAV4と比較しても見劣りしない数字を実現している。外観は、クラウンスポーツのHEV(ハイブリッド)モデルとほとんど見わけることができない。

 グラマラスでスタイリッシュなボディフォルムはそのままで、フロア下に容量の大きなバッテリーを搭載。さらにリヤアクスルにも駆動モーターを搭載して4輪駆動化したe-Fourモデルとなっているが、そのe-Fourというエンブレムも見当たらない。

 クラウンシリーズは、セダンを除きe-Fourの全輪駆動がベースとなっており、あえて表示することを避けているそうだ。

 クルマに乗り込むと、鮮やかな配色の室内空間が目に留まる。ドライバー側はブラックで統一され、コクピット感を演出しているのに対し、パッセンジャーシート側は新開発の煌めきのある赤い素材が張り込まれていて、一層ゴージャスな雰囲気を醸し出している。

 ステアリングホイールにはステッチが縫い込まれたレザーが採用され、12.3インチの大型カラー液晶モニターがダッシュボードセンターに備わる。

 エアコンなどのスイッチ類は物理スイッチとなっていて、モニターのタッチパネル同様使い勝手が非常にいいのは、ほかのクラウンシリーズと同じである。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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