「三菱ミラージュってあのタイ製ハッチ?」とか言わないで! 「激熱スポーティハッチ」こそがミラージュの歴史だった (2/2ページ)

数年後にシレッと7代目が登場して復活することに期待

 1991年のフルモデルチェンジにより4代目へと進化するが、ここでのトピックスは世界最小1.6リッターV6エンジンを設定したこと。このV6エンジンを積んだのはセダンボディのみだったが、この世代でもメインはハッチバックで、「アスティ」というサブネームのついた2ドアクーペもラインアップに加わっている。

 前の世代では1.6リッターターボをパワーアップすることでホンダVTECに対応した三菱は、4代目ミラージュにおいて可変バルブ機構である「MIVEC」を投入する。サイボーグに搭載された1.6リッター MIVECエンジンの最高出力は175馬力となり、当時のシビックが積むVTECエンジンの170馬力を凌ぐものだった。

 MIVECエンジンは、1995年にフルモデルチェンジした5代目へも踏襲されることになる。ハッチバックはもちろん、空力に優れたクーペ「アスティ」にも搭載され、いずれもモータースポーツで活躍したことは記憶に残る。そして、セダンボディには1.8リッターに排気量を拡大したV6エンジンや、1.8リッター4気筒ターボなども搭載されていた。

 ただし、こうしてパワートレインが成長・進化したことで、もともとミラージュが担っていたはずのコンパクトカテゴリーから、ひとつ上のクラスに移行しているように見えたのも事実。そのため、ランサーと統合するというカタチで2000年にミラージュの歴史はいったんピリオドを打つことになった。

 冒頭で記した6代目ミラージュの誕生は2012年まで待つことになる。タイで生産されるグローバルモデルを輸入することで復活した。

 当初は1リッター3気筒エンジンを積むベーシックカーという位置づけだったが、すでに軽自動車のトレンドがハイトワゴン~スーパーハイトワゴンといったタイミングであり、オーソドックスなハッチバックへのニーズはそれほどでもなかったというのが正直なところ。グリルレスのフロントマスクもチープなイメージとなり、販売面では苦戦する。

 その後、1.2リッターエンジンへスープアップしたり、最終的には「ダイナミックシールド」マスクに変身したりしたが、かつてのような存在感を示すことはできず、2023年にミラージュの歴史において2度目のピリオドを打つことになる。

 もっとも、5代目から6代目まで10年間の空白があるように、ミラージュという名前が復活しないとは限らない。印象深いグレード名「サイボーグ」は自動運転テクノロジーを連想させる響きもある。電動化や自動運転といったCASE時代にはピッタリのネーミングといえるかもしれない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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