この記事をまとめると
■名機とも言える個性的な軽自動車の660ccエンジンを紹介
■660ccながら、4気筒であったり5バルブであったりと個性的なユニットが多かった
■いまでは環境性能重視と低コスト化優先のために個性的なユニットはほぼなくなった
660ccだからといって侮るなかれ
日本独自の規格である軽自動車は、限られたボディサイズと排気量、そして乗車定員などの制限がある一方で、税制面などで優遇されているため、日常のアシやビジネスユースになくてはならない存在となっている。
ただ、前述したようにエンジンの排気量には制限があり、1990年1月以降は660ccが上限となっている。そのため、エンジンとしてはどのメーカーのものも大差ないものになっていると思いきや、じつは同じ660ccのエンジンでも、かなり尖ったキャラクターを持つものが各メーカーに存在していたのだ。
三菱 4A30型
軽自動車のエンジンといえば3気筒エンジンが主流となっているが、1990年代には4気筒にチャレンジするメーカーも少なくなかった。
7代目ミニカには4気筒SOHCの4A30型エンジンを搭載するグレードが存在し、そのホッテストモデルであるダンガンには、4A30型のツインカムインタークーラーターボエンジンが搭載されていた。
それだけでも十分に衝撃的なのだが、ミニカダンガンのエンジンは1気筒当たり5つのバルブを備えたものとなっており、現在に至るまで軽自動車用のエンジンとして5バルブを採用した唯一のエンジンとなっている。
ダイハツ JB-DET型
1994年9月に登場した4代目ミラに初搭載された直列4気筒エンジンのJB型エンジンは、インタークーラーターボのJB-JL型とNAエンジンのJB-EL型が存在していた。
その後、軽自動車の規格が改定されてボディサイズが大型化されてからは、JB-DET型と呼ばれるターボエンジンに1本化され、主にムーヴやオプティ、MAXといったスポーツ系というよりはクラスレスな魅力をもつモデルに搭載されることが中心となっていた。
その後、2002年に登場した軽スペシャリティオープン2シーターモデルのコペンにも採用されたJB-DET型エンジンは、ツインスクロールターボ仕様に進化し、最大トルクは11.2kg-mを発生。この数値は軽自動車の最大トルクとしては現在においても最強の数値となっている。