この記事をまとめると
■日産の軽BEV「サクラ」は、車名別販売ランキングで上位に食い込めるほど売れている
■サクラは都市部よりも路線バスやガソリンスタンドが少ない地方でよく売れている
■サクラのデメリットを解決した次に繋がるBEVが不足しているのが日本市場の実情だ
じつは日産サクラが売れまくってる!
世間では日本メーカーのBEV(バッテリー電気自動車)への取り組みが遅れているとの報道が目立っている。そのなかで日産の軽規格BEVとなるサクラの販売が好調に推移している。
日産サクラは2022年6月より正式発売されている。全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の統計によると、2022暦年(2022年1月~12月)締めでの年間新車販売台数は2万1887台(5月より統計数字が出るようになったので、5月から12月での月販平均台数は約2700台)、2023暦年締め年間販売台数は3万7140台(月販平均販売台数約3000台となっている。2024年2月までの累計販売台数は6万3950台となり、月販平均台数は約2900台で、軽自動車のみで増販期でもなければ、車名(通称名)別販売ランキングで上位10位以内入りしてもおかしくない台数となっている。
マーケット規模の大小があるものの、サクラの売れ方で特徴的なのは、東京などの大都市部よりも地方部でよく売れている点が挙げられる。4月1日からは2024年問題の影響がより深刻となり、大都市部でも路線バスの減便や路線廃止が顕著になるともいわれているが、地方部ではすでに公共交通機関に頼った移動が難しい地域が多く、「マイカー」がないと日常生活で移動することが困難な地域が日本国内ではかなりの数にのぼっているのが実情だ。そのような状況ながら、山間部などの過疎地域では「ガソリンスタンド空白地帯(廃業が多い)」も目立ち、給油するのに隣町まで行かなければならないケースも目立ってきている。
さらに、ガソリン価格も高値傾向で安定化してしまっている。そのようななか、わずかな年金をメインに生活している高齢世帯では、マイカーを手放すことはなかなかできない。高齢世帯はマイカーで遠出といったシチュエーションは限定的で、買い物や通院など生活圏内の移動がほぼすべてとなるので、ガソリンよりは電気代が安いこともあり、地方在住の高齢世帯を中心にサクラのニーズが大都市より高いことが大きく影響しているとされている。