零戦スタイルをまとったスカイライン! 地上の戦闘機には鹿児島育ちのオーナーの平和への願いが込められていた!! 【大阪オートメッセ2024】 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2月に開催された大阪オートメッセ2024の出展車両を振り返る

■会場で零戦仕様のスカイラインを見つけた

■零戦仕様スカイラインのカスタム内容や車両に込められた思いを聞いた

零戦仕様のスカイラインを発見!

 2024年2月10〜12日の期間、大阪港湾部のインテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2024」。期間中には速報で会場のリポートをお送りしましたが、ここでは開催の様子、紹介しきれなかったブースや展示車両を振り返り、あらためて紹介していきたいと思います。

 今回はショップや個人のブースが集まる4号館のなかでもひときわ周囲とは異質なオーラを放っていた零戦仕様のスカイラインを紹介します。

見た目のインパクトだけじゃないこだわりと情熱が詰まった個性的なマシン

 個性的な車両たちがひしめく4号館の会場のなかで、とくに人だかりがなかなかバラけない一角がありました。興味を惹かれて人垣のなかに潜り込んでみると、その中心には周囲の車両とは一線を画す異様な雰囲気を放つ車両の姿がありました。ひと目見て、第2次世界大戦で戦った「零戦」をイメージしていると感じる外観にカスタムされたことがわかりましたが、極めつきはそのすぐ脇には飛行服に身を包んだオーナーらしき人の姿があり、思わず「おお……」と声が漏れていました。

 始めはそのインパクトがありすぎるスタイルから、見かけだけのショーカーかなと高をくくっていたのですが、話を聞いてみると、とんでもなくこだわりと情熱が込められた車両だということがわかり、2度驚かされました。

 まず意外だと思ったのが、この車両はこれだけのインパクト大な外観に仕上げられながら、実際の走りを基本に作られた実走可能な車両ということです。実際にこの出展にあたり、鹿児島から自走でフェリーに乗って来場したそうです。

 ベースはR33型のスカイライン・セダンです。最初は気に入っている愛車のECR34型をベースにしようと思っていたそうですが、「角張ったデザインが零戦らしくない」という理由から、丸みを帯びたER33に車種変更されました。セダンを選んだのも同様の理由から、少しでも零戦のシルエットに近づけたかったからだそうです。

 それでは特徴的な外観を見ていきましょう。全体は零戦の色をイメージしたオリーブ色で統一されていて、それだけでも零戦らしさをかなり感じられると思いますが、オーナーの宮路さんは、幼少の頃から展示された零戦を見てきた(理由は後述)ことから、その風合いの再現にこだわり、全体にあて板とリベット打ちを施しました。その数なんと5600発! 製作時期は夏とのことなので、このリベット打ちだけでも戦時中の労働に比肩するといったらいい過ぎでしょうか。

 そして、それに留まらず、全体的に使用感を強調する加工をおこなっています。黒ずんだ部分や塗装が剥げた感じを出すために、模型で使われる「ウエザリング」という汚し加工が施されています。トドメは「あえて桜島の火山灰が降るなかにしばらく放置して、くすんだ感じを出しました」とのこと。その甲斐あってか、零戦の実機さながらの空気感に仕上がっています。

 Bピラーの「弾痕」風の加工は「釘打ち機」によるものだそうです。外板を貫通して、内板で留まっているのが見えるでしょうか? さすがに実際の機銃に威力では遠く及ばないものの、弾痕はリアルに再現されています。

 顔面は自分の好きなR34型にスワップされています。実際にECR34のボンネットとフェンダーを用意して、ベース車のそれと接合しているそうです。カラーとウエザリングに紛れていますが、これを自力でおこなうというのはかなりのレベルのカスタムスキルだと感じます。巨大なボンネットダクトやリベット留めのオーバーフェンダーもスパルタンさを強調しています。

 零戦の排気管のイメージを再現させるため、後部ドアから直接突き出したマフラーを製作。なんとフロア下から室内を通して外に向けるという大胆すぎるレイアウトにしています。

※展示時はショー及びドリフト走行時専用の仕様


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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