「これ付いてないの?」とはもう言わせない! ステップワゴンが「かゆいところに手が届く」クルマに大幅進化した!! (2/2ページ)

細かな変更による使い勝手向上で家族に寄り添う

 そして3つ目のトピックとしては、全グレードで安全運転支援システム「Honda SENSING」に後退出庫サポート(マルチビューカメラシステム装備車のみ)と、急アクセル抑制機能が追加され、誰にでも起こりうる“うっかりミス”による事故防止に大きく貢献。

 さらにパワーテールゲートのメモリー機能で、従来よりも低い位置での開度設定が可能となったこともうれしい進化だ。従来は最小開度が約52度で、開けるのに必要なスペースは約910mmだったが、それが約22度まで可能となり、必要なスペースはほぼ半減となる約480mmに。

 実際に最小開度にしてみると、ちょうど人がひとり滑り込めるくらいの隙間ができ、後ろが壁になっているような狭い場所での開閉はもちろん、雨の日などになかを濡らさないよう最小限で荷物の出し入れをしたいようなシーンでも、便利に使えそうだと感じた。また、これらのリモート操作は、Honda CONNECT搭載車であればスマホからの操作も可能となっている。

 現行ステップワゴンは、自分が子どものころに家族のクルマがステップワゴンだったという世代が、今度は自分が家族をつくるようになってミニバンに戻ってくるといった、ミニバンネイティブ世代からも選ばれているモデルだ。初代ステップワゴンのような“箱”感がありながら、いまの時代らしくプライベートなスペースも大切にできるよう、2列目を互い違いに設置したり、足をのばしてゆったりしたり、3列目で居心地よく過ごしたりと、多彩なシートアレンジが可能となるところも大きな魅力だ。

 そこに加わるのが4つ目のトピックで、現行モデル登場時から取り入れていた「乗り物酔い軽減技術」で特許を取得。これはHonda独自の研究による設計で、前を見渡せる広い視界や、平衡感覚を保ちやすい水平基調が3列目までつながるインテリアなどで、乗り物酔いの根本的原因である頭の揺れを低減するもの。これによって、車酔いしにくいミニバンの称号を手に入れたといっていいだろう。

 今回、パワートレインや足まわりといった内部の変更はアナウンスされていないが、あらためて2列目シート、3列目シートで試乗してみたところ、e:HEVのなめらかでパワフルな加速フィールや自然な減速、安定した乗り心地など、ますます熟成されているように感じた。3列目までしっかりと空調が行き届き、すばやく快適になる室内空間というステップワゴンの強みも健在。

 ナチュラルな世界観に、シートヒーターやオットマンといった豪華装備が加わった「AIR EX」。ブラックを巧みに仕込んで洗練された外観がクールな「SPADA PREMIUM LINE BLACK EDITION」。このふたつの新グレード登場と合わせ、全体として魅力が底上げされたステップワゴンに注目だ。


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まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
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松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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