現代に存在する珠玉の名機たち
●ホンダ K20C(搭載モデル:シビックタイプR)
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ホンダにとってタイプR史上最強のスペックを誇る、2リッター4気筒エンジン。最⾼出⼒330馬力、最⼤トルク420NmというFF最強のスペックを誇る。このVTECターボを最初に搭載したシビックタイプRは2015年に生まれたFK2型(車両型式で呼ぶのもレジェンドモデルの証!?)で、そのときの最高出力は310馬力だった。
2017年にフルモデルチェンジしたFK8型シビックタイプRでは320馬力、そして最新のFL5型では330馬力と、モデルチェンジごとに10馬力ずつパワーアップしている。
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排ガスなど環境規制が厳しくなっていくなかで確実にパワーアップしているのはホンダの意地と情熱の賜物だ。車両としての人気も高く、オーダーを入れることさえ難しい状況だが、内燃機関が許される限り、このエンジンは進化していってほしいと思う。
●レクサス 2UR-GSE(レクサスIS500、LC500)
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レクサスの源流といえるLSに搭載するために生み出されたといっても過言ではないV型8気筒「UR」系エンジンの、ハイパフォーマンスバージョンといえるのが「2UR-GSE」だ。5リッターの排気量を活かし、自然吸気ながら481馬力(IS500の場合)の最高出力を絞り出す。
もともとは上級フィールを狙ったV8エンジンだが、チタン製の吸排気バルブ、鍛造クランクシャフトなどパフォーマンスにつながる改良を受けたこのエンジンは、レクサスファミリーにおいて多くのスポーティモデルに搭載されてきた。そのなかにはIS FやRC Fといったスペシャルなモデルもあったことも伝説の一部となっている。
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いまや、IS500 F SPORT PerformanceとLC500しか新車搭載モデルはなくなってしまったが、未来へ語り継ぐだめに入手してほしいと思う現代の名機だ。もちろん、IS500で850万円という車両価格に手が届くならば……という条件をクリアしなければ手に入れることはできないのだが。
●トヨタ G16E-GTS(GRヤリス、GRカローラ)
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「G16E」の型式で知られている1.6リッター3気筒ターボはトヨタ渾身の一作。ご存じ、WRC直系のイメージで売っているGRヤリスの専用エンジンとして生まれ、いまではGRカローラにも展開されるなど、新時代のトヨタ・スポーツユニットとして位置付けられている。
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総排気量1618ccながらターボ過給によって304馬力の最高出力、400Nmの最大トルクを発揮するスペックは、まぎれもなくハイパフォーマンスエンジンといえるもので、伝説になることが約束されているともいえる。
ただし、ドライブフィールが3気筒の薄っぺらさを感じさせる点は残念なところ。レジェンドとして語り継がれるためにはなんらかの演出もほしいところだが、そうした余計な味つけを排して、純粋に性能を追求しているところがG16E型エンジンらしさという見方もできそうだ。