またまた爆売れしそうなカローラクロス
改良はそれだけでなく、2023モデルからベアリング高剛性化、低フリクション化、サスペンションチューニング、さらにはボディフロアに高減衰ボディ接着剤の採用が行われていた。それに加えて2025モデルではAピラー内に吸音材、ルーフマスチックの高減衰化(レインフォースに接着剤を塗布)、リヤフェンダー内にウレタンブロックを与える改良を加えている。
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今回はトップグレードのZ E-Fourを拝借してみたが、走り始めてまず感じたことはタウンスピードにおけるしなやかな走りだった。筆者は登場時の2021モデルに乗って以来の試乗だったこともあるのだろうが、かつてあった突き上げるような動きがまるでなくなったことにかなりのインパクトを受けた。
もともとカローラクロスには、キビキビとした応答性と安定したコーナーリングは素晴らしく感じていたのだが、一方で荒れた路面における乗り味がやや荒く、微振動などがつきまとうところがあるといった印象だった。タイの悪路でもタフでなければとタイヤは専用チューニングされたことがその要因だとかつては教えられたが、ソコは変えずにいまのようなソフトな乗り味が展開できていることに驚きを感じるほどだ。ウイークポイントだった微振動や音も大幅に軽減され、ハイブリッドらしい静粛性が得られていることも魅力のひとつだ。
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ただ、高速ワインディングやアクアラインのような外乱が大きいところに突入したとき、やや頼りなさが出てくるのも事実。キビキビとした振る舞いや安定したコーナーリングなどを求めたいユーザーは、これから登場するGR SPORTを選択してほしいということなのだろう。ちなみにコチラは硬度を引き上げたサスペンションブッシュやリニアさを追求したダンパーなどが奢られる予定とのことだ。
さらに今回、感心したのは運転席&助手席に対し、シートベンチレーションが与えられたことだ。これにより、炎天下のなかで室内が熱せられたとしても、即座に背中やももの辺りが瞬時に冷却され、快適に走り出せるようになった。車両本体価格は約370万円という状況で、よくぞここまで充実したものだと感心せずにはいられない。
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このように熟成が図られ、バリエーションを増やすことであらゆるニーズに応えてくれる環境が整った今度の2025モデルなら、カローラクロスはまだまだ売れ行きを伸ばしそうな雰囲気。購入予約はすでに難関と聞くから、争奪戦はまだまだ続きそうだ。
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