これぞリアル「サンダーバード」! モリタが作った最強の消防車「Red Ladybug」に興奮必至!! (2/2ページ)

まるでSFの世界からやってきたような1台

 注目したいのは、さまざまなニーズに応えるべく、多彩なアタッチメントが用意されていることだ。

 基本的にはオフロードタイヤを履いているが、クローラーに交換することで深い雪をものともせずに走破することもできるという。また、後部ボディユニットは入れ替え可能な設計となり、消火装置・救助資機材・情報通信機材など各種機材を容易に入れ替えできる。

 クローラーでの走破性、ボディユニットの入れ替えといった言葉からは、国際救助隊をテーマにしたSF『サンダーバード』を思い浮かべるかもしれない。モリタ「Red Ladybug」は、まさしくリアル“サンダーバード”といいたくなるスーパーメカなのだ。

 そんな「Red Ladybug」のベースとなっているのは、カワサキのオフロード四駆「MULE」だ。主に北米の農場などで使われているオフロード四駆で、「Multi-Use Light Equipment」に由来する名前のとおり、優れた実用性と発展性をもつマシンだ。

 日本で公道走行をするには大型特殊車両としてナンバーを取る必要があるため、ドライバーの資格としては制限されるが、軽自動車とは異なり、フロントに3人がけで座ることができるのはメリットだ。

 筆者は、「Red Ladybug」のベースであるカワサキMULEに試乗した経験もあるが、まさしく質実剛健といえる乗り味でタフネスの塊、完璧な道具という印象だった。四輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションが生み出すストローク感は軽トラとは別次元であり、道なき道を突き進むことができるのは間違いない。突発的な災害現場へ向かうオフロード消防車のベースとしては最適なマシンだと、あらためて思う。

「Red Ladybug」が活躍するような災害が起きない、平安が続くことに越したことはない。それでも、「転ばぬ先の杖」として、こうしたオフロード消防車が世のなかに存在しているという安心感があるのもまた事実だろう。


この記事の画像ギャラリー

山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報