なんと海外じゃ8代目まで続いていた! ダイハツの懐かし軽「クォーレ」を振り返る

この記事をまとめると

ミラは1980年にクオーレの商用版「ミラ・クオーレ」として誕生した

■クオーレは国内ではミラに統合されるも欧州では「クオーレ」として継続

■欧州仕様は1リッター級エンジンや専用装備を備えたが2007年の8代目で幕を閉じた

ミラとクオーレの複雑な関係

 ダイハツを代表する軽自動車のひとつである「ミラ」。現在その名はミライースに残るのみとなっているが、一時期はスズキ・アルトとしのぎを削る最量販車種となっていた。そんなミラだが、初代モデルは1980年に登場したクオーレの商用モデル、「ミラ・クオーレ」として登場している。

 このクオーレとは、それまでダイハツの軽乗用車であったフェローMAXの新規格(当時)版として1977年に登場した「MAXクオーレ」を祖としており、ミラクオーレが登場した世代のモデルは2代目となる。

 当時は軽商用車には物品税が免除されるなどの税優遇があったため、クオーレよりもミラ・クオーレのほうが人気となり、アルトも同様に商用登録のアルトと乗用登録のフロンテとわかれていたが、どちらも商用登録のほうが人気となったのだった。

 その結果、1985年に登場した3代目モデルまでは、ミラとクオーレの両方がラインアップされていたが、1990年に登場した4代目モデルからはより知名度の高いミラへと統合されている。

 しかし、じつはこのクオーレ、MAXクオーレ時代から海外への輸出が行われており、欧州市場においては4代目モデル以降もクオーレの名前で販売が継続されていたのだ。

 といっても、見た目はほとんど日本仕様と変わらず、ハンドル位置が左となり、リヤにバックフォグランプが備わるという法規対応程度の違いしかなかった。その一方で、エンジンは847ccの排気量のものが搭載され、フロントにベンチレーテッドディスクブレーキやスタビライザーが標準となるなど、スピードレンジの高い欧州向けのチューニングが施されていたのである。

 そして、その後も日本のミラのモデルチェンジとほぼ同じ周期でクオーレもフルモデルチェンジを続け、1999年に登場した6代目モデルでは、エンジンの排気量を847ccから989ccへと拡大。

 このエンジンはストーリア/デュエットの1リッターモデルにも搭載されたほか、ミラジーノにも搭載されて「ミラジーノ1000」として日本でも販売されたが、これはある意味欧州向けのクオーレをベースにしたミラジーノだったともいえるだろう。

 なお、さすがにイギリスの名車に似すぎていた初代ミラジーノが欧州で販売されることはなかったが、2代目のミラジーノは「トレヴィス」として販売されていた。

 本題のクオーレは2007年に8代目となり、日本仕様よりも大型のバンパーを備えるなどしているが、基本的なボディシェルは引きつづき共通で、エンジンも1リッターを継続。ただ、EJ-VE型から1KR-FE型へと換装されるなど時代に即した変更は加えられていた。

 しかし、ダイハツが欧州市場から撤退を発表したことでクオーレの販売も終了となり、その名前も途切れることとなったのであった。


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小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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