この記事をまとめると
■ルノー・ルーテシアがマイナーチェンジを実施して最新のフェイスを手に入れた
■インテリアではセンターディスプレイが大型化されてシートデザインも変更を受けた
■+3馬力の出力向上は実感できずともハンドリングとコーナリングパフォーマンスは絶品
最新のフェイスを手に入れた5代目ルーテシア
これはまたずいぶん精悍さを増したものだな……と思った。マイナーチェンジ版の新型ルノー・ルーテシア。ヘッドライトが薄型のフルLEDとなり、拡大されたフロントグリルのなかで綺麗な文様を描くグリッドはよりクッキリと立体的になり、頬にあたるフロントサイドにはルノーのアイデンティティともいうべきロザンジュを半分に割ってあしらったようなフィニッシャーがレイアウトされる。
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基本的にはひと足先に導入された新型キャプチャーと同じベクトルにあるフェイスデザインだ。
リヤに目を移すと、デザインこそ変わらないもののテールランプがクリアレンズとされていて、それだけでもイメージが変わる。全体的にかなり彫刻的になったような印象だ。
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本国ではちょっとビックリするほど大胆に姿を変えてサイズも大きくなった第6世代が発表されたばかりというタイミングだが、この第5世代の最後を飾るモデルのほうがはるかにルーテシア“らしさ”を湛えてるように感じられるのは、全体的なフォルムがローレンス・ヴァン・デン・アッカーによる4代目から受け継いだ見慣れたカタチだからだろうか?
さらに、ルノー“らしさ”が感じられるのは、フロントバンパーの左右両端、リヤバンパーに設けられたスクープの存在で、ちゃんと空力デバイスとして機能する形状とされてること。いずれにせよ綺麗なまとまりを見せながら発展してきた5代目のスタイリングのほうが、僕の好みには合ってるな、と思った。
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インテリアでは、7インチから9.3インチへと拡大されたセンターディスプレイが目を引く。パッと見ではわかりにくいのだが、内装に使われる素材から本革は完全に排除され、テップレザーやリサイクルペットなどの環境配慮型マテリアルとされてるところも新しい。
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特筆すべきはフロントシートのデザインが変わってることで、座り心地はよりフレンチタッチの芯ある柔らかさを、ホールド性はスポーティな走りにこだわるルノーらしい確実さを、と見た目以上に大きな進化を遂げていたこと。個人的にはインテリアにおける最大のトピックは、じつはここなんじゃないか? と思えたほどだった。
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今回のマイナーチェンジで、ルーテシアはフルハイブリッドE-TECHの「エスプリ・アルピーヌ」のみ、1グレードに集約された。アルカナやキャプチャーなどでもお馴染みのネーミングで、その名前から連想できるように、スポーティさとエレガンスを併せもつトリムが施されるモデル、である。
このルーテシアでは、フロントフェンダーにあしらわれるエンブレム、ロゴ入りのキックプレート、アロイホイールのセンターにあしらわれるアルピーヌブルー、シートバックに刻まれるアルピーヌの“A”マーク、シートのステッチやシートベルトにあしらわれるアルピーヌブルーなどが特徴的といえるのだが、そうしたアクセントの数々は、決してこれみよがしでなく、さりげない。
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そうした悪目立ちをよしとせず、けれど埋没させることもよしとせず、という加減の巧みさがとてもフランスらしい──というかパリっぽい──センス。好感をもてるところのひとつだ。
パワートレインは、従来のE-TECHと基本的に代わりはなく、1.6リッターの直4エンジンとふたつのモーター、ドッグクラッチをもつマルチモードATの組み合わせだ。が、システム出力が+3馬力の143馬力となり、アルカナやキャプチャーと同じスペックをもたされている。
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車重は1300kgと従来より10kgほど軽くなり、それはキャプチャーより120kg、アルカナより170kg軽い数値。燃費はWLTCで25.4km/Lと、従来でも輸入車トップを謳っていた数値をさらに0.2km/Lほど伸ばしている。