エンジントラブルにより無念のリタイア
さらに、「これまでラリー・ジャパンを含めてエンジン開発は外部に委託していたんですけど、初めてダイハツで内製化を行いました。新しくエンジン開発に加わったメンバーもいますが、ラリー活動を通じて課題が見つかり、そこを改善していけばタイムに表れていきますので、悔しさも喜びもわかち合いながら、“オールダイハツ”で活動していきたいと思います」と意気込みを語る。
それだけに、久万高原ラリーではD-SPORT RacingコペンGRSの走りに注目が集まっていたのだが、またしてもエンジントラブルが発生。4日、久万高原町役場で行われたセレモニアルスタートこそ出走したものの、エンジンが吹けないことからSS1をスタートすることなく、リタイヤを決断したのである。
ロッキーのエンジンを換装した怪物コペンはキットカーでの市販も検討って正気の沙汰とは思えない画像はこちら
「第4戦のモントレーではエンジンがかからずに出走することはできませんでした。今回は、エンジンはかかるんですけど、全開にしても25%しかスロットルが開かない……という状態です。すぐに改善できそうにないですし、このまま走行を続けてもメリットがないので、リタイヤを決断しました」と相原選手も悔しそうな表情。
その一方で、相原選手は「少ししか乗れませんでしたが、ゆっくり走っただけでもエンジンはトルクフルだったので、きちんと仕上がれば面白いクルマになると思います」と手応えを掴んでいるようだ。
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さらに、気になるキットカーでの販売など市販化については「お客さまの声をうかがいいながら検討していきたい」と相原選手。前述のとおり、モンスター・コペンはダウンヒルなら“Rally1に匹敵、Rally2を凌駕”というほどのパフォーマンスをもつといわれているだけに、11月6〜9日に愛知県・岐阜県で開催されるWRC第13戦「ラリー・ジャパン」では、小さな怪物D-SPORT RacingコペンGRSの動向に注目したい。
なお、久万高原ラリーではGRヤリスRally2を駆るヘイッキ・コバライネン選手がJN-1クラスでシーズン初優勝を獲得したほか、GRヤリスの貝原聖也選手がJN-2クラスで自身初優勝を獲得。JN-3クラスではGR86の曽根崇仁選手、JN-5クラスではマツダ・デミオを駆る河本拓哉選手、JN-Xクラスでは天野智之選手がそれぞれクラス優勝を獲得している。