日本車から「マイナーチェンジ」が消えた! かつてモデルライフ半ばにあった改良「マイチェン」はドコへ? (2/2ページ)

日本でも細かい年次改良が主流となりつつある

 しかし、それ以降もトヨタ車ではマイナーチェンジという表現を使わずに、カローラ以外でも「改良」として、改良型が発表されている。ちなみにトヨタが発信した過去のニュースリリースをみると、「マイナーチェンジ」という表現が使われていた。

 日本では、全面刷新となる「フルモデルチェンジ」、次のフルモデルチェンジまでの中間時点で行う規模の大きい改良を「マイナーチェンジ」、そしてそのほかに行われる小規模の改良を「一部改良」としてきたのが一般的であったのだが、ここのところトヨタ以外のメーカーでもマイナーチェンジという表現をほとんど見かけなくなっている(もともとホンダはマイナーチェンジという表現は使っていなかった)。

 アメリカや中国など、海外では広くイヤーモデル制が敷かれている。たとえばアメリカならば、基本は会計年度末(政府や公共機関)となるのが9月末となり、10月から新年度モデル(2025年なら、2025年モデルから2026年モデルへ変わる)へ切り替えが行われる。ここ最近は「2025-2026年モデル」としたりする変則技を使うブランドや車種も出てきており、イヤーモデルも多様化を見せているのだが、毎年小改良を繰り返しながらある年度では少々規模の大きいマイナーチェンジレベルの改良が行われたりしている。

 日本国内もイヤーモデル制とまではいかないものの、今後は4~5年のモデルレンジのなか、2年や2年半でマイナーチェンジを行うという基本パターンではなくなり、諸外国のように毎年なんらかの改良を繰り返して物価高騰を反映した適正原価及び価格の維持(とはいってもコストアップをそのまま価格に乗せるのは難しい)での販売を進めていこうとしているのかもしれない。

 さらに改良が頻繁に実施される背景には、国による保安基準や燃費規制の変更などが細かく行われていることも影響しているという話も聞いている。

 モデルの半ばでコストをかけ、マイナーチェンジと銘打って大きな改良を行っても販売状況が活性化する見込みが期待できない(コスパが悪い)、日本の新車販売市場の鈍化というものもひょっとしたら影響しているのかもしれない。


この記事の画像ギャラリー

小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報