【試乗】TRDがイジればトヨタ車はなんでも楽しくなる! 86・ハイラックス・ハイエースのコンプリートモデルに一気乗りした (2/2ページ)

TRDの仕事が輝くのはスポーツカーのみに留まらない

 次はハイラックス スーパーワイドトレッドキット。試乗車はXCRスプリントカップ北海道でタイチームがドライブしていたラリー車両で、CT12DVタービンキットと競技用プログラムで軽くチューニングされている(321馬力/600Nm)。じつはこれだけでかなり楽しいのだが、今回はさらにワイドトレッドキットも装着。フロントはドライブシャフト、サスペンションアーム、タイロッドエンド、ダンパー、バネも交換されている。

 エンジンは文字どおりトルクの塊。本気のオフロードタイヤ(ヨコハマジオランダーAT-X)で路面をかきむしる。さぞやスパルタンな乗り心地だと思うかもしれないが、じつはとってもマイルド。大径ピストンモノチューブダンパーの効果でクルマの動きはしんなり。重いタイヤの激しい動きもやすやすと受け止めてくれる。

 加えてワイドトレッドの効果……なのだと思うが、ガシッと広く股を広げて腰を落として路面に踏ん張っているような安定感がある。とくにコーナリングや左右への切り返しなどの場面での安心感が圧倒的に高い。

 なにより、見た目がカッコいい。競技指向の人はもちろん、ドレスアップを考えてもこのキットは魅力的だ。

 3台目はハイエース TRDセレクション。TRDの目利きエンジニアが、お仕事グルマの走りと機能をアップグレードした。なかでも興味深いのは、KING SHOCKS社製サスペンションキットとカイザーロッカーというデフユニット。

 KING SHOCKSは、今回試乗したTRDハイラックスにも採用されていた大径ピストンのダンパー。足まわりを強化するというと、とかく乗り心地が荒くなりがちなハイエースだが、大容量ダンパーならではのしっとりしんなりした乗り心地が魅力。

 カイザーロッカーは不思議なデファレンシャルで、通常はコーナーでも作動制限しないのに、タイヤが空転するともう一方のグリップしているタイヤに100%駆動トルクを伝達してくれる。スポーツドライブというよりも泥濘地、渡河といったトライアル的な使い方で威力を発揮しそうだ。


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