この記事をまとめると
■欧州ではいまだにステーションワゴンの人気が高い
■日本ではSUVブームにおされてワゴンのラインアップが激減している
■ワゴン好きが買っても後悔しないようなラゲッジルームもつ優れたクルマを紹介
国産ワゴンのラインアップが減り続けている
欧州ではステーションワゴンの人気が高く、ドイツ御三家のメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWともにワゴンタイプを用意し、フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアントは依然として人気車種であり頑張っている。フォルクスワーゲン・パサートに至っては、セダンを廃止しステーションワゴンだけのラインアップとなっているほどだ(ボルボにもV60が残されている)。
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が、日本車はかつてのミニバンブームからの現在の空前のSUVブーム(世界的にもだ)もあって、ワゴンタイプのクルマは極めて少なくなっている。パッと思いつく限り、スバル・レヴォーグ、トヨタ・カローラツーリング、そして最新のトヨタ・クラウンエステートぐらいになってしまった。
マツダ6ワゴンの国内仕様は2024年9月に販売終了、それどころか2025年3月にはワゴンを含むマツダ6の全世界生産を終え、完全にSUVシフトしているではないか。これまで愛犬のためでもあるステーションワゴンを4台も乗り継いできた、根っからのステーションワゴン派の筆者にとっては寂しい限りなのである。
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国内でステーションワゴンが衰退した理由のひとつとして考えられるのが、かつてのミニバンブームでミニバンに乗っていたユーザーが子育てを終え、3列シートが不要になったタイミングでブレイクした、ミニバンのような見晴らし視界が得られる2列シートモデルで、ラゲッジスぺースにも余裕があるSUVに飛びついた……という説がある。また、クルマにタフネスさを求めた場合、SUVは世界的にもうってつけだったのだろう。
そんな、ワゴンがめっきり減った日本で、しかしボクのようなワゴン好きが買っても後悔しない、ラゲッジルームの使い勝手、容量に優れたワゴンじゃないクルマはあるのだろうか? あります!
ここで、肝心のラゲッジスペースの寸法を、かつてあった国産ワゴンで振り返ってみたい。たとえば、ホンダ・シャトル(フィットワゴン)は開口部地上高540mm(FF)、フロア奥行き955mm、最小フロア幅970mm、最小天井高835mm。後席格納時の最大フロア長1770mm。マツダ6ワゴンは開口部地上高630mm、フロア奥行き1100mm、最小フロア幅1000mm、最小天井高800mm。後席格納時の最大フロア長1800mmだった。
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参考までに日本の路上でもよく見かける最新のフォルクスワーゲン・ゴルフ8.5ヴァリアントは、開口部地上高610mm、フロア奥行き1040mm、最小フロア幅1005mm、最小天井高680mm。後席格納時の最大フロア長1640mm……というスペースを備える。
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では、そんな正統派ワゴンに匹敵するラゲッジルームをもつ、ワゴンじゃないクルマの一例(ワゴンの背を高くしたようなSUVはここでは割愛)として挙げられるのが、まずはホンダ・フリードクロスターの2列シートモデルだ。
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コンパクト3列シートミニバンの3列目席を取っ払った大容量ワゴンと呼ぶべきスペースユーティリティカーであり、ラゲッジルームのスペースは、開口部地上高320mm(FF/4WDは505mm)、フロア奥行きフロアボード上段885mm、フロアボード下段1000mm、最小フロア幅1270mm、最小天井高フロアボード上段885mm、フロアボード下段1130mm。2列目席格納時の最大フロア長1840mmという、重い荷物の出し入れ楽々、使い勝手抜群、広大なラゲッジスペースを備えているのだ。
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むしろ純ステーションワゴンより日々の荷物の出し入れ、アウトドア、車中泊に向いている、ワゴンを名乗らない、しかしワゴンのように使える1台といっていい。※フロアボードは標準装備。