ワゴンはなくてもスペースユーティリティカーは豊富
そのフリードクロスターの2列シートモデルのガチライバルとなるトヨタ・シエンタの2列シートモデルも、クロスター同様に大容量ワゴンとして使えるスペースユーティリティカーだ。ラゲッジスペースは開口部地上高565mm(3列シート車は505mm/FF。4WDは+20mm)、フロア奥行き840mm、最小フロア幅1265mm、最小天井高1055mm。2列目席格納時の最大フロア長1670mm。
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以上の2台はまさに、5ナンバーサイズのコンパクトミニバン派生の2列シートモデルとは思えないラゲッジルームの広さ、容量を実現しているのだ。もちろん、3列シートモデルを手に入れ、3列目席を格納(フリードは左右跳ね上げ式、シエンタは3列目席下格納式)すれば、2列シートモデルに迫る(まったく同じではない)ラゲッジスペースを出現されることも可能となる。
どちらも両側スライドドアを備えるため、リヤドア側からの荷物の出し入れのしやすさは、リヤヒンジ式ドアのワゴンより上ではないか。
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しかし、もっとずっとコンパクトな両側スライドドアを備えるハイトワゴンでも、驚くほどの荷物の収納力を持つクルマがある。それが5ナンバーサイズのスズキ・ソリオだ。
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ラゲッジスペースそのものは開口部地上高665mm、フロア奥行き550~715mm(後席スライド位置による)、最小フロア幅1020mm、最小天井高980mm。2列目席格納時にほぼフラットになる最大フロア長も1205mmとたっぷり。
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具体的には、機内もち込みサイズのキャリーケース5個、つまり定員乗車分、後席使用時でも積み込めるのだからすごい。さらに、ラゲッシルーム床下にも同キャリーケースがすっぽり入る(FF)スペースがあるのだからびっくり! 小さな巨人的荷物の積載性を誇るのがソリオというわけだ。
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そんな、ワゴンじゃないのにワゴン派を後悔させない、ワゴンライクに使えるクルマの候補を輸入車まで広げれば、ルノー・カングー、プジョー・リフター、シトロエン・ベルランゴといったMPVモデルがある。
たとえばカングーのラゲッジスペースは開口部地上高570mm、フロア奥行き1020mm(後席スライド位置による)、最小フロア幅1190mm、最小天井高1111mm、後席格納時奥行き1880mmと、もはや小さな引っ越しができるほどの広大なスペースを有する。
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しかも、左右それぞれが開くダブルバックドア(現行型の当初は日本仕様のみ)の採用で、開閉する際、大きな1枚もののバックドアより車体後方のスペースが少なくて済むダブルバックドアならではのメリットもあったりする。
というわけで、国内のワゴン市場がシュリンクしたいまでも、ワゴンに匹敵するラゲッジスペースをもつ、ワゴンじゃないスペースユーティリティカーは存在する。あるいは、まだまだ盛んな輸入ワゴンを視野に入れたクルマ選びをするのはどうだろうか。