この記事をまとめると
■クルマ好きであれば若いころに憧れたクルマがあるはずだ
■多くのクルマ好きが憧れたであろう国産車5台と輸入車1台の相場を調査
■ほとんどのモデルが新車時よりも高いプレ値になっていた
国産旧車の人気ベスト5+1
憧れのクルマの特集が組まれている雑誌やカタログを手に入れ、ポスターを部屋に飾り、ミニカーも手に入れた……。まさに「夢にまで見た」憧れの存在。働き盛りのお父さんたちが若いころに憧れたであろう国産車5台&輸入車1台をピックアップしました。中古車ならと思いきや……現在の相場も紹介します。憧れの存在は永遠に憧れのままなのか、それとも……。
日産スカイラインGT-R(R32型)
・生産期間:1989年8月~1994年12月
・当時の新車の価格:430.5万〜529万円
・中古車の平均価格:811.1万円
・中古車の価格帯:480万~1750万円
1989年8月、ベースモデルのデビューから遅れること3カ月、16年振りに「GT-R」の名を冠したスカイラインが復活を遂げたのです。このクルマのために開発された2.6リッター 直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT型」は、当時の国産車最強の280馬力をたたき出します。このクルマには、路面状況に応じた電子制御で前後輪に自在に駆動力を配分する電子制御トルクスプリット4WDシステム「アテーサE-TS」と呼ばれる駆動方式が採用されます。
日産スカイラインGT-Rのフロントスタイリング画像はこちら
生まれながらにして「レースで勝つこと」を運命づけられたスカイラインGT-R(BNR32型)は見事にその期待に応え、1990年のから1993年に日本ツーリングカー選手権が終了するまで、4シーズン29戦29勝0敗という快挙を成し遂げます。
そして、スカイラインGT-Rがもつポテンシャルは、レースだけでなくチューニングの世界にも革命を起こします。モアパワー&モアスピードを追い求めるべく、スカイラインGT-Rをベースにした全国各地のチューニングショップがしのぎを削ることとなるのです。このクルマが誕生したことにより、国産車のチューニングカーのレベルが飛躍的にあがり、新たな時代の幕開けになったのは間違いありません。
ホンダ プレリュード(3代目)
・生産期間:1987年4月~1991年8月
・当時の新車の価格:130.9万〜236万円
・中古車の平均価格:240万円
・中古車の価格帯:235万~258万円
「デートカー」として一世を風靡した2代目プレリュードの後継モデルとして、1987年4月にデビューしたホンダ・プレリュード(3代目)。ひと目でプレリュードとわかる「ロー&ワイドフォルム」なデザインを踏襲しつつも、より垢抜けた印象に。世界初となる舵角応動タイプ ホンダ4輪操舵システム(ホンダ4WS)や、4輪ダブルウイッシュボーンサスペンション、4輪ABSなど、ホンダ独自の新技術を導入し、全車2リッターDOHCエンジンを採用しています。
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デザインだけでなく、先進的なメカニズムを惜しみなく投入するあたりに、ホンダがこのクルマに込めた熱量を感じさせます。これほどの「全部盛り」なクルマが、新車時の車両本体価格が200万円前後で販売されていたことに改めて驚かされます。
余談ですが、プレリュードにおける数ある装備のなかでもマストアイテムともいえる「サンルーフ」そして通称「スケベレバー(運転席側から助手席をリクライニングできるレバー)」は、2025年に復活を遂げた6代目プレリュードには装備されていません。とはいえ、それは重箱の隅をつつくような野暮な行為。かつてのように飛ぶように売れる時代ではないことをわかりきっていながら、あえてプレリュードを復活させたホンダの英断に拍手を贈るべきなのでしょう。
トヨタ ソアラ(2代目)
・生産期間:1986年1月~1991年4月
・当時の新車の価格:237.2万〜489.6万円
・中古車の平均価格:257.4万円
・中古車の価格帯:128万~399.3万円
デートカーの絶対的王者といえば、1986年1月に発売された「トヨタ ソアラ(2代目)」でしょう。初代ソアラのイメージをそのままに、すべてのガラスに3次曲面ガラスを用いて、ボディと同一面に近づけたフラッシュサーフェス キャノピーを採用。より洗練されたデザインは、メーカー自ら「世界最先端技術の枠を結集した最高級プレステージ スペシャルティ」と称するほど、気品と高級感に満ちあふれたデザインを手に入れたのです。
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また、運転中にメーターパネルを見る際に、目の焦点を合わせやすくするために開発された「スペースビジョンメーター」を世界で初めて実用化に成功。最上級グレードにあたる「3.0GTリミテッド エアサスペンション仕様車」ともなれば、車両本体価格が400万円を優に超えるという高級車。欲しくても手が届かない。中古車ですら高くて買えない……。まさに、当時の若者にとって憧れの存在だったのです。
2代目ソアラといえば、屈指のクルマ好き(オイリーボーイ)としても知られ、戦後の日本復興に尽力した晩年の白洲次郎が開発陣にアドバイスを送ったという逸話が残っています。白洲次郎は2代目ソアラが完成する前にこの世を去ってしまいますが、天国でこのクルマが若者の憧れの存在であったことを密かに喜んでくれたと信じたいものです。