911シリーズ最高峰の5000万円超えも争奪戦必至! 90台限定モデル「F.A.ポルシェ」のファン垂涎な中身 (2/2ページ)

901型911の世界観を専用内外装で表現

 911GT3 90 F.A.ポルシェに採用されたエクステリアとインテリアは、いずれもフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが1980年代にドライブしていた、オークグリーンンメタリックの901型911(Gシリーズ)をイメージしたものだ。

 実際の製作はポルシェのカスタマイズ部門である「ゾンダーヴンシュ」によって行われ、エクステリアカラーには、このモデルのための専用色となる「F.A.グリーンメタリック」が採用されているほか、サテングロスブラックのセンターロック式スポーツクラシックホイールや、トランクリッド上のグリルには「90 F.A.ポルシェのロゴが入るゴールドバッジも備えられる。

 インテリアはさらに魅力的なフィニッシュだ。トリュフブラウンのクラブレザーが使用されたキャビンは、エレガントでかつ高級なフィニッシュで、シートのセンターパートは、こちらも専用の「F.A.グリッド織りファブリック」で仕上げられる。

 フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェの子息であるマルク・ポルシェによれば、その柄は父がもっとも気に入っていたジャケットのそれに等しいとのこと。この生地はグローブボックスやボードブリーフケース、「GT3」と「F.A.P.」の文字が背面に刺繍されたリヤシートアッセンブリーなどにも用いられる。

 フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェのシグネチャーが入ったセンターコンソール上のバッジや、911のシルエットとともに、やはりシグネチャーと「ONE of 90」の刻印が施されたバッジ、そしてこちらはGT3 90 F.A.Pの文字が入るアルミニウム製の照明付きドアエントリーガード、ドアプロジェクターなども、このモデルに備わる特別な装備だ。

 スポーツクロノストップウオッチのデザインは、フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが個人的に使用していた、自らが立ち上げたデザインブランド、ポルシェデザインの「クロノグラフ1」の外観をベースとしたものに改められている。

 前で触れたとおり、911GT3 90 F.A.ポルシェは90台が限定で製作される予定だが、そのなかの一台にはすでにオーナーが決まっている。それはマルク・ポルシェで、残りの89台は2026年4月からオーダーを開始し、オーナーはさらにこのモデルをゾンダーヴンシュで個性化することもできる。

 参考までに日本市場で設定されているプライスは5071万円(消費税込み)。それは911シリーズでは最高の数字になるが、それでも89台のデリバリー枠をめぐっての争奪戦は、世界的にかなり激しいものになりそうだ。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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