鈴木亜久里・土屋圭市がガチで仕上げるタイプR! GTマシンのイメージを公道に落とし込む「ARTA GT FL5」に期待しかない!! (1/2ページ)

公道を走れるGTマシン現る

 ARTAをはじめ、スーパーGTでGT500クラスに参戦するホンダ陣営のチームは、今季からニューマシンのプレリュードを投入することが話題となっている。しかし、昨季まで2シーズンを戦ったシビック タイプR-GTは、それ以上の衝撃をもって迎えられたマシンだった。

 はじまりは東京オートサロン2023。ホンダ レーシング(HRC)による開発段階にあったシビック タイプR-GTが、コンセプトモデルとして披露されると、ベースとなったシビック タイプR (FL5)オーナーや長年のタイプRファンは歓喜し、レースファンはGT500クラス初の4ドア車をモチーフにしたマシンに興味津々。しかし、そうした先入観のない観客からは、純粋に「カッコいい」との評価が多く聞かれた。

 ご存じのとおりGT500マシンは、共通シャーシに市販車のデザインを反映したボディを組み合わせる専用設計。純然たる市販車ベースのツーリングカーレースやGT3などと異なり、いわばかつてのグループ5のような成り立ちだ。それだけに、空力などの機能性を徹底して追求したスタイリングで、市販車とは一線を画する迫力で見るものを圧倒した。

 2024年からの実戦投入では、空力開発面の不利などもあり、必ずしも成功を収めたとはいえなかった。しかし、制約の大きいなかでライバルたちに挑むチャレンジスピリットや、試行錯誤を繰り返し奮闘する姿には、多くのひとびとの心を打つものがあった。記録よりも記憶に残るGT500マシン、それがシビック タイプR-GTだった。

 そのイメージを、逆に市販車へ反映させようというプロジェクトがARTA内で立ち上がったのは、1年ほど前のことだったという。岡山で開催されたスーパーGTの開幕戦で、鈴木亜久里総監督が開発中であることを明らかにしたこのクルマは、公道を走れるGT500マシンがコンセプト。計画の初期段階から亜久里さん、そして土屋圭市エグゼクティブアドバイザーの意見も反映され、デザインやスペックが徐々に固められていった。

 そうして誕生したARTA GT FL5。そのエクステリアは60mmワイド化しており、ルーバー付きダクトを備えたフロントフェンダーのデザインも、GT500マシンのイメージをかなり忠実に再現している。実際、車両の全幅は本物のGT500車両と同等とのことだ。サイドフィンやリヤのオーバーフェンダー、ディフューザーにGTウイングと、レースカーさながらのいでたちに変貌しているが、ベース車の実用性は一切損ねないよう、入念な設計が施されている。

 エンジンまわりや排気系はHKSが担当。タービンやECUのチューンをはじめ、オイルクーラーやインタークーラーの冷却系強化、ARTAとHKSで共同開発したオリジナルマフラー採用で、約400馬力を達成した。ストリートでも使いやすい低速トルクを確保しつつ、サーキットでの速さも求め、次元の高いバランスに仕上げられた。

 足まわりはKW製の車高調整式サスペンションキットで、フロントブレーキはGT500マシンにも採用されるAPレーシング、駆動系にはクスコのLSDを装備した。ホイールは鍛造1ピースのオリジナルアイテムを製作し、ブリヂストンの最新ラインアップであるポテンザRE-71RZを装着する。ホイール幅は10.5Jで、インセットはワイドフェンダーにフィットする専用設定。タイヤサイズは295/35R18で、あえて純正よりインチダウンすることで、レースカーのような肉厚感のあるルックスと、走行性能や快適性を兼ね備えている。


この記事の画像ギャラリー

新着情報