トラックファン歓喜「G1型トラック」が日の目を見た! AA型より前に生まれたトヨタの原点

この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショー2025にトヨタはG1型トラックを展示した

■トヨダG1型トラックは同社初の自社開発自動車だ

■トヨタと同グループのダイハツのいずれのブランドも原点的車両がトラックだ

トヨダAA型に先駆けて発表されたG1型トラック

 2025年10月30日から11月9日に東京ビッグサイトで開催されたジャパンモビリティショー2025。トヨタは南1・2ホールの1フロアをまるまる使用し、ダイハツと合同の「トヨタグループ」でブースを出展。センチュリーブランドの発表など見どころたっぷりの展示を行なっていた。

 そんなトヨタグループブースの入り口にさりげなく飾られていたのがトラック。1935年にトヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎が中心となり開発したトヨタ初の自動車「トヨダG1型トラック」だ。現在は日野自動車を傘下に収め、乗用車をメイン商材としているトヨタの原点ともいえるクルマが、なんとトラックだったということを知る人は、きっと少ないことだろう。

 当時のトヨタは、同グループの創始者で発明家の豊田佐吉が創業した豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)にて1930年に小型エンジンの研究をスタートし、1933年に同社に自動車部を開設。1934年にアメリカのシボレー製エンジンを模したA型エンジンを試作するなど、自動車産業進出への発展を図っていた。そして1935年に試作乗用車「A1型第1号」を完成させた。

 しかし、折しも満州事変の勃発など、日本の軍国化や社内の時間的・経験的理由から、乗用車ではなくトラックの開発を優先し、同じくアメリカのフォード・トラックを模したシャシーを用いた「G1型トラック」を同年8月に完成させ、11月に発表した。

 トヨタの始祖的クルマといえば、1936年に完成した「豊田AA型乗用車」を連想する人もいるだろうが、じつは同社はそれに先立ち、トラックの開発から自動車メーカーへの発展を遂げたわけだ。ちなみに「トヨタ自動車工業」の設立はその2年後の1937年8月になる。

 ジャパンモビリティショーで展示されていたトヨダG1型トラックは、普段は愛知県名古屋市の「トヨタ産業技術記念館」に展示されているレストア車両。グリーンのキャビンのボンネットには銀メッキの堂々としたグリルと、「豊田」の漢字をデフォルメしたマスコットが飾られていた。

 平ボディ(荷台)を支えるシャシーは木製、アオリや根太も木製。その脇に装備されている道具箱も木製。昭和初期の姿そのままに再現されていた。

 前後のタイヤの脇にはブラシのようなパーツが……。これは当時の未舗装の路面から巻き上がる土や砂埃を払うための装備なのだろう。その姿は90年前の旧い商用車でありながら、現在の世界のトヨタを象徴する車両のようにみえた。

 ジャパンモビリティショーは終了したが、先に述べたとおり、このトヨダG1型トラックは名古屋のトヨタ産業技術記念館でその実車を見ることができる。またこの日、同車と並んで展示されていた豊田AA型乗用車も、愛知県長久手市のトヨタ博物館に常設展示されている。

 また、トヨタグループのブースのダイハツエリアでは、同じくダイハツの「原点」といえるオート三輪、「ミゼット」のレストア車が展示されていた。現在は同じグループ企業である両社は、奇しくも原点的車両がトラックと軽トラックであったことは、トラックファンとしては感慨深いもののように感じられた。


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