ポルシェの頂点に疑いなし! 公道に解き放たれたレーシングマシン「カレラGT」の贅沢すぎる中身【21世紀スーパーカーFILE #024】 (2/2ページ)

わずか1270台しか存在しない究極カレラ

 基本構造体はやはりCFRP製のモノコックタブだが、驚くべきはそのリヤに接続されるサブフレームも同素材でシェル状に設計されていること。それは当時世界初の試みだった。ちなみにカレラGTの車重は1380kg。モノコックタブとサブフレームはそれを合計しても約100kgしかない。

 このシェルに包み込まれるエンジンは、68度のバンク角が設定された5733ccのV型10気筒DOHC 40バルブ自然吸気。これもまたポルシェがル・マン24時間レースへの参戦を想定して開発していたV型10気筒エンジンをベースとするものだった。最高出力と最大トルクはそれぞれ612馬力、590Nm。

 ミッションはオーソドックスな3ペダルの6速MTとなるが、そのシフトノブは917が軽量化のためにバルサ材のシフトノブを採用していたことに由来して、このカレラGTでもウッド製とされている。クラッチは、こちらも軽量なPCCC(ポルシェ・セラミック・コンポジット・クラッチ)。駆動輪はもちろん後輪だ。

 前後のサスペンションはプッシュロッド方式のダブルウイッシュボーンで、そのセッティングには非常に大きな自由度があった。カレラGTのために新たにデザインされたセンターロック式のホイールは鍛造マグネシウム製で、フロントに19インチ径、リヤに20インチ径を装備。タイヤサイズはそれぞれ265/35R19、335/30R20の設定だった。

 ブレーキには前後とも380mm径のPCCB(ポルシェ・カーボン・セラミック・ブレーキ)が備わる。4チャンネルのABSやASC(アンチ・スピン・コントロール)、トラクション・コントロールも標準装備され、それによってカスタマーは安全に、最高速では330km/hに達するカレラGTのパフォーマンスを楽しむことができたのだ。

 カレラGTは、2003年から2007年までの期間に、トータルで1270台が生産されたとされる。そしてそれは、現在では貴重なコレクターズアイテムとして、熱狂的なポルシェのファンのみならず、スーパースポーツのマニアに熱く語られる存在となっている。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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