電線の下は最初からリスクの高い場所だった
「鳥は、ただランダムにフン落としているだけだ」という意見もある。たしかにその側面もあるのかもしれないが、すべてを偶然で片付けることはできないはずだ。
なぜならば、鳥には「飛び立つ瞬間に体を軽くするため、排泄する」という習性がある。また、安全で見晴らしのいい場所で休んでいるときは副交感神経が優位になり、排泄が促される。つまり電線や木の枝の真下に駐車している場合、そこは鳥にとっての「離陸前の軽量化ポイント」兼「リラックス中の排泄スポット」の真下──ということになるわけだ。
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さらに鳥は、社会的学習を行う生き物でもある。仲間の誰かが一度フンを落とし、「ここは安全だ」と認識された場所には、ほかの個体も続いてフンを落とすことがある。フンがフンを呼ぶ不幸の連鎖は、彼らの学習能力によるものなのだ。
そしてもちろん、「たかが鳥フン」と侮ってはいけない。鳥には尿道がなく、フンと一緒に尿(尿酸)を排出する。この白っぽいドロドロは強力な酸性あるいは強アルカリ性を含んでおり、クルマの塗装を守るクリア層を急速に侵食する。放置すれば、わずか数日で塗装が熱膨張とともにフンを抱き込み、拭き取ったあとにはクレーターのような浸食跡が残る。鳥フンを見つけたら、とにかくソッコーで除去するのが鉄則だ。
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ただし、乾いたフンをいきなり乾拭きしてはいけない。鳥のフンには消化を助けるための砂利や種子が含まれていることが多く、そのまま拭けば、塗装は傷だらけになる。水や専用クリーナーで十分にふやかしてから、優しくすくい上げるのが正解だ。
「Alan’s Factory Outlet」のアラン・ベルナウ Jr.氏による調査結果を参考にするのであれば、鳥フン被害を避けるための最適解は「シルバーのクルマに乗り、電線の下への駐車は避け、ボディはあまりピカピカに磨かないこと」になる。……だがそんなカーライフは、果たして「楽しい」といえるだろうか?
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茶色の渋さや、赤の情熱、そして黒の重厚感──といったものは、鳥にとって魅力的なのかもしれないが、もちろん人間にとっても魅力的なものである。そして鳥にトイレとして狙われるということは、貴殿の愛車が空から見てもハッキリと認識できるほど美しく、生命力にあふれているという証左でもある。
だからフン害にあったとしても嘆かず──いやもちろん嘆きたくなるのは筆者も同じだが、とにかく、アルコールを含まない厚手のウェットティッシュや水などでフンをふやかし、ソッコーで除去しよう。そして己が選択した赤や茶色などの個性的なボディカラーを誇りに感じながら、再びさっそうと走り出そうではないか!