100年以上も車名変更なし! 世界のセレブを魅了し続ける「ロールスロイス・ファントム」の偉大すぎる歴史を振り返る (2/2ページ)

圧倒的クオリティは世界中の要人やセレブに愛された

 そして、ファントムⅢ(1936)ではついに12気筒エンジンが搭載され、7.3リッターから160~180馬力の出力となり、7.6リッターの直6だったIIから、排気量を下げつつも12%ほどのパワーアップをしています。次いで、ファントムⅣ(1950)になると、初めて英国王室の御用達となるなど、ロールスロイス無双伝説を決定づけるのでした。続くファントムV(1959)、ファントムⅥ(1968)に至っては、王室だけでなくジョン・レノンをはじめ数々の有名人が愛用し、H・J・マリナー、パークウォードといった架装ファクトリーも大繁盛するなど、スペシャルコーチワーク車が無数に生まれたことも大きな特徴でしょう。

 1998年を迎えると、ご存じのとおりBMWがロールスロイスを買収したことで、ファントムは新世代へと突入。2003年、満を持して生まれたファントムⅦは世界中からの喝さいを浴び、ファントムの名に恥じないモデルとして君臨しました。買収当時から脅威を感じていたメルセデスベンツが、急遽マイバッハを開発したのも栄えあるファントムのエピソードに加えるべきでしょう。ちなみに、欧州の衝突安全基準からロールスロイス伝統のフロントグリル、通称パルテノングリルは存続の危機にあったのですが、BMWはあらゆる手段をもってこれを乗り越え、ステンレスの削り出しを死守したされています。

 新生ファントムから14年後の2017年、ファントムはついにⅧへと進化を遂げました。BMWがファントム専用エンジンとして開発したN74B68ユニットは6.75リッターのV12ツインターボで、571馬力/5000rpm、900Nm/1700-4000rpmを発揮。2560 kg (SWB)の巨体ながら0-100km/h:5.3秒というデータを誇ります。2022年にはマイナーチェンジを施し、ファントムⅧシリーズ2を名乗り100周年記念モデル「センティナリー」や、世界限定10台の「シンティラ」をリリースするなど世界最高級車のポジションを欲しいがままにしています。

 ひとくちに100年といっても、ファントムほど「変わらないために、変わり続けてきた」究極の様式美は、ほかのどんなクルマも真似のできないものに違いありません。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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