100年以上も車名変更なし! 世界のセレブを魅了し続ける「ロールスロイス・ファントム」の偉大すぎる歴史を振り返る (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ロールスロイスの最高峰に「ファントム」というモデルがある

■「ファントム」は1925年に初代が誕生して以来100年にもわたって販売されている

■世界最高峰の高級車として広く愛されている

8代にわたって継承される世界最高峰のクルマ

 多くのクルマがイメージ刷新のためモデルチェンジのたびに車名を変えるなか、ロールスロイス・ファントムだけは100年もの間その名を使い続けています。フラッグシップに与えられる車名という理由だけでなく、今や「信頼の証」であり、ブランドのステイタスそのものの象徴にほかなりません。数々の輝かしい逸話に彩られたファントムを振り返るのに、今ほど最適なタイミングはないでしょう。

 ロールスロイスは1904年にチャールズ・ロイスというアマチュアレーサーと、ヘンリー・ロイスという天才的エンジニアの出会いから始まりました。彼らが1906年にゴースト(幽霊)と呼ばれる「速くて静かな」マシンをリリースすると、すぐさま大反響を呼んだのでした。ダッシュボードに立てたコインが倒れないという逸話を生むほどの低振動、かつ静粛でありながら、数々のレースで優勝を遂げるハイパフォーマンス。ロールスロイスの名を強烈なまでに知らしめる作品となったのでした。

 このゴーストを継ぐべくして、1925年に生まれたのがファントムでした。1920年代、ゴーストも登場から20年近くが経ち、ライバル車の台頭に業を煮やしたヘンリー・ロイスが後継モデルを極秘裏に開発。「イースタン・アーム(Eastern Arm)」というコードネームが与えられ、完成するまで「次世代のロールスロイス」の詳細は闇に包まれていたのだとか。

 第一世代のファントム最大のトピックは、なんといってもOHVを採用した新型エンジン。ゴーストのサイドバルブに対し、バルブをシリンダーの真上に配置するOHV方式を採用すすることで吸排気効率が劇的に向上し、大きな車体を加速させるための強大なパワーを手にしたのでした。それでいながら、「気づかぬうちに背後に忍び寄るような圧倒的な静粛性」はゴーストを上まわるもの。ここにファントム(幻影/亡霊)の名が生まれたのでした。

 以来、ロールスロイスは「静粛性こそが最高のラグジュアリーである」という評価を不動のものにします。1929年デビューのファントムⅡは、それまで使っていたゴーストのシャシーを脱却、新型シャシーを採用して乗り心地と操縦性を劇的に向上。いわゆるグランツーリスモのために、スプリングレートを高め、車高を下げたスポーツサルーンの「コンチネンタル」もファントムⅡをベースとしたモデル。ちなみに、ヘンリー・ロイスが生涯の愛車に選んだのもファントム・コンチネンタルでした。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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